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お人好し
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「ほんとごめんな」
「もー今度はちゃんと来てよね~!」
得意の愛想笑いで誤魔化し、
女子達に謝りながら今日もまた足早に教室を去る。
なんで少し急いでいるのか、
なぜならばあんまり人には見られたくないからだ。
いや別にやましいことでは決してないが、
また異生物を見るような目で見られるのはゴメンだからな。
「に、仁科」
俺が指定した靴箱の近くのドアに少し凭れながら
その人物は俺の声に導かれこちらに目を向ける。
「綾瀬、来てくれたんだな」
心なしか表情が少し柔らかくなったような気がした。
そう、先約というのはこの男、仁科忍との約束。
今日の昼休み、
これまた唐突に「今日一緒に帰ろう」と誘ってきて、
その時には予定も何も入っていなくて了承してしまった。
了承してしまったからにはあとから断るのは気が引けるので、
ああやって女子たちの誘いよりこちらを優先したのだが、
今思うと今日は予定があると早々に言えばよかったのではないか。
まぁ今更遅いんだけど。
好きだって告られて、
さらにはキスされた相手とこうやって下校するなんて.....
俺ってつくづくお人好しだな....
「じゃあ、綾瀬、帰ろう」
「お、おう...」
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