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別にそんなの
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帰路を歩きだした俺と仁科の間にまた沈黙が流れる。
しかしそれを破ったのは意外なことに俺ではなかった。
「綾瀬は、放課後友人とどのようなことをしているんだ?」
俺より少しばかり高い目線を落とし、
視線を合わせる。
「え?...っと、まぁ、カラオケいったり、マ○ク行ったりとか....?」
何故仁科がそのようなことを尋ねてくるのかは疑問だったが、
いつも俺がしていることをありのままに伝える。
別にそんなの知ったところで何の得にもならないぞ。
「そうか。」
「うん...?」
仁科は納得したように深く頷いてからまた前方に視線を戻した。
彼は本当に何を考えてるのかが分からない。
表情もなければ言葉も少ないので質問の意図を読み取ることは非常に困難だ。
もうちょっと表情筋使えよ。
「綾瀬、」
「ん?...なに?」
仁科は自分の鞄を漁ったかと思うと勢いよく俺の方へ振り向いた。
瞳ははどことなくキラキラと輝いているように見えて、
「綾瀬、マ○クに行きたい。」
「は」
その手に握られていたのは小さながま口財布だった。
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