アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
ぽつんと馨の口から何気なく出て、帝の腕がピクリと動いた。
「もっと、言って……?」
ぐったりした身体をそのまま帝に抱えられ、机に戻される。力が上手いこと出ず、馨は上半身のすべてを机に預けてしがみついた。
ぐちゅ、とさらに増した粘着質な音。
「え……? あっ、あ、帝、待って……今、敏感で……イってばかり、だか、ら」
戯れのようなゆっくりした動きさえも、目の前がスパークする。ガクガク揺れる脚はもう役目を果たしておらず、机にしがみつく自分の腕と、腰を支える帝の腕とでやっと立ってられた。
ポタポタと先端から溢れる蜜は止まることを知らなくて、乾いた床を濡らしていく。
「や、待って……待って、んんっ! こんなの、」
知らない。
それは、快楽の渦に捕らわれるように。
背中を反らしても、逃げ場はなかった。その上、帝の舌がねっとり這い、身体中を走り回る電流の威力が拡大する。
「ん。待ってどうすんの……馨のエッチなココ、すんげーイイのに」
帝が吐息混じりに項を吸いながら言うと、ふわふわした馨の髪が揺れた。唇を離して顔を上げれば、泣き崩れた馨の顔があって。
「帝、いいの? 気持ちいいの?」
小さく、震えた声。まるで、何かに怯えるような、そんな声だった。
何に、怯える必要がある?
帝は、後ろ髪とは違って額に貼りついた馨の前髪を掻き分けて、はっきりと言った。
「ああ。すげー気持ちいい」
涙の膜を張った煌めく宝石のような瞳が揺れる。
「なら、よかった……」
馨は、へにゃり、と弱々しく笑って、細められた瞳から雫が伝った。
散々、下手くそと言われてきた身だ。相手が気持ちいいということが嬉しい。とても嬉しい。しかも、帝王と呼ばれている、想いを寄せている帝の言葉だ。心に響いて、じんわりと染み込んいく。
「馨……」
帝は、そっと唇を奪った。優しい口づけは、馨も応えてくれて熱烈なものに変わるのはそう遅くなかった。
だらしなく舌を絡ませて、しとどに濡れた場所を突けば、馨の表情はすぐに艶があるものに変わる。
「んっ、ん……ふ、ぁ……帝、あ……すき……」
「うん」
濡れた唇から漏れるお互いの吐息が熱い。
「ん、あ、あ、好き……すき」
馨の頭の中はもうトロトロで。小刻みに続いている絶頂で意識が薄れていく中、ただ愛しい感情を露わにする。
すると、その瞬間。
「……俺も、すき」
そう帝が耳元で囁いたのだ。
帝の唇の感触、甘い吐息、低く掠れた声が直接馨の耳から脳に伝わって、すべてを帝に犯されていく。
「……っぁ、変……あっあっ、くる……きちゃう」
「ん、いいよ。馨」
「ふ、あ、ああっ……あ!」
馨の身体が大きく波打った。女の子みたいな絶頂に耐えれず、目の前が真っ白になっていく。
意識が消えていく中、外からも中からも暖かさに包まれたような感覚がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 37