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放課後の約束
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「ねぇヒナくん、今から暇〜?」
「遊ばな〜い?」
そんな女子達の喋り声が頭に響く。よく飽きないよなぁ。いつも遊んでる時に僕が大抵上の空ってことに気付いてないのかな?
「…あ」
アキちゃんが帰ってしまう。
「ゴメン僕帰る」
「え〜」
遊びたいとか一言も言ってないし。
「…最近付き合いホント悪くない?」
僕が教室から出ていった後にある女子が呟いた。そんなこと知らずに僕はアキちゃんを追いかけに行った。
「アキちゃん!」
「ん?あ、ヒナ…」
驚いていてクラスの奴らと遊ぶんじゃ、と聞いてくる。
そんなことよりアキちゃんと一緒にいる時間の方がずっと大事。
そのことを伝えるとアキちゃんは微笑んでくれた。
「あ、そうだ」
「?」
「今度の休み、また遊びに行かない?」
今度は遊園地とか!夜景のキレイな観覧車に乗って2人きりで…とか!とか!
「おー、自分も一緒に遊びたいわー」
聞きなれた…とまでは言わないけど最近よく聞いている方言に僕は思わず顔が歪んだ。
「…げ、柊くん」
「な、エエやろ?」
アキちゃんがいいなら許してやってもいいけど…だけど…
ヤロー3人で遊園地行って何が楽しいんだよ
「…遊園地はまた今度か」
「え、遊園地行く予定やったん?ヒナくん乙女やな〜」
うるさいわ
「さくらも遊びに行くのか?」
「おー、行きたいわ」
ゔ…これはついてくる方向に…
「…しょうがないなぁ」
「やったー!」
はぁ、どこ行こ…
「女の子ナンパして回るってのは…」
柊くんその口削ぎ落とすよ。
「女の子とか飽きたし、女の子よりもかわいいアキちゃんがいますー」
「飽きたって…そんなに経験あるんか?ヒナくん見かけによらず…」
まぁ、僕にとっては業務的なことで女の子をホントに好きになったことなんてないけどね。
「…別に。ていうか僕にとって恋愛対象はアキちゃんのみなんだけど」
「?矛盾してない?梶が好きなら何で」
びゅっ …ぱしっ
「…いろいろ事情があったんだよ。……もう黙って」
殴ろうとしたけど受け止められた。…喧嘩なれしてる柊くんの方が上手か。
「ヒナ」
はっと目が覚めた。
…アキちゃんの前だった。
「ゴメンね〜、ちょっと聞かれたくないことなんだ〜掘り返さないで」
「大丈夫か?今おかしかったぞ?」
「ん、平気ー」
いつも通りの『明るいヒナくん』に戻る。アキちゃんの前では下手に腹黒を出しちゃ…そんな性格だと思われたら嫌だし。
「じゃあ、どこに行きたいか考えといてね。僕は別にどこでも構わないから」
そう言って一旦この話は終了した。
別れ際に柊くんが「ヒナくんて意外と力強いんやな。そこらのヤンキーより喧嘩なれしとるんやない?」とか言ってきたけど無視。だって僕別に喧嘩とかしないし。
え?何でそんなに力強いのかって?そりゃあアキちゃんが何かあった時にどうにかするためだよ!
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