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30本目、熱い。※
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頭がクラクラする。
今の状況が良くないことはわかっている。
ただそれ以外を上手く考えることが出来ない。
「紅野くん、オメガ性なんだね」
バレた。アルファ性の彼にバレてしまった。
これから僕は偏見されるのか襲われるのかわからない。怖い気持ちが押し寄せてくる。
「あっ……ちが…」
この状態でもまだ言い訳をすることが諦めきれずに何とか誤魔化そうとする。
けれど笹窪さんは多分もう僕がオメガ性だということを確信している。
「そうなってまで違うって言うの…?」
「…笹窪さ…ん……」
目の前の彼は危険なのに、早く逃げなくてはならないのに。不安から目が潤んできてしまう。
薬を飲んで落ち着かなきゃいけないのに。
体がどんどん熱く疼きだす。
「紅野くん…?」
「助けて…体中あつくて…」
気がつくと僕は笹窪さんの腕を掴んでいた。
「助けるって…そういうことだよね」
笹窪さんは僕の腕を引いてトイレに向かう。
一番奥の個室に二人で入り鍵を閉めた。
「…奇遇だね。俺も今は抑制剤きれてきてるんだよ…それに薬も無くなりそうだったから買いに来たんだよ」
笹窪さんは壁に僕を押し付けた。
僕は息が自分でもわかるほど荒くなってきている。笹窪さんの頬も気のせいなのか…少し赤らんで見えた。
「笹窪さん…」
「そんな声で呼ぶのは卑怯だよ。紅野くん…俺はいいけどキミは発情期だから」
笹窪さんは眉間に皺を寄せて唇を強く噛み締めた。耐えている…?けれどお互い余裕が無い様で彼も息が段々と荒くなってきている。
ふと笹窪さんの唇に目がいく。
キスしたい。今すぐにその唇に触れたい。
僕は今までにキスなんてしたことが無いくせにどういう訳か物凄くキスがしたい。
我慢が出来ずに笹窪さんの腕を引く。
「…俺を恨むことになると思うよ」
笹窪さんは顔を近づけてきた。
僕からも顔を寄せてそのまま唇が優しく触れ合った。
その直後笹窪さんは僕をさらに強く壁に押し付けて舌を入れてきた。
舌から伝わる笹窪さんの体温も僕自身もどんどん熱くなっていく。
舌を絡め合い体を擦り付けてくる。
目から涙が零れ、脳は蕩けそうだ。
「っは…ぁ…笹窪さん…」
「…俺はアルファ性だよ?我慢できなくなる」
耳元でボソッと囁かれ体がビクッと反応する。
耳にかかる熱帯びた吐息と、その言葉に鼓動が加速していく。
もっと触れたい…触れて欲しい…。
僕は今笹窪さんを求めている。さらにこの先を期待している。
そんな自分に恥ずかしさを覚えつつも抑えられない。
笹窪さんはそのまま耳、そして流れるように首筋にもキスをしてきた。
唇を触れられたくすぐったさでつい声が漏れてしまう。
「んんッ…はぁ…」
「これだけでそんなに…敏感なの?」
キスだけではなく次は軽く舐められた。
その後首筋に鋭い痛みが走る。
「痛っ…」
「ごめん…はぁ、ごめん紅野くん…抑えられそうにない」
そして再び首筋を強く吸われる感覚がした。
痛いはずなのにそれだけではない。
確実に“気持ちいい”と思っちゃっている。
「…誘ったのは紅野くんだから覚悟してね」
笹窪さんはさっきまでの険しい表情ではなくなり、ニヤリと笑い妖しい笑みを見せた。
僕は今笹窪さんとこんなに近い距離でキスだけではなく…その先をしてしまうのだろうか。
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