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35本目、初めて。※
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部屋に一人でいた時のようにまた下着に手を入れて自分のそれを握った。さっきは笹窪さんがいつ戻ってきてしまうかと緊張をしていたけれど、今は目の前で見られているという緊張がある。
「…んっ」
「ほら、ちゃんと見せて」
笹窪さんはそう言うと僕のズボンと下着を一気に脱がせてきた。
急に下半身が丸見えになってしまうもののこれ以上どう羞恥心を持てというのか。
僕はとうに限界突破している。
「…足広げて」
「……はい」
笹窪さんは表情ひとつ変えずに僕の顔を見る。
ただひたすらに目が合う。
気まずさを耐えながらまた手を上下に動かし始める。
「っう…はぁ……」
「…歩生。さっきしてたよりも優しくなってるよ」
もういつの間にか下の名前で僕を呼んでいる。
ずっと意地悪なくせに“歩生”と呼ぶ声だけは優しくて、名前を呼ばれる度に心の奥がまるで誰かの手でギュッと握り締められているようだ。
でも相変わらず言ってくることは意地悪だ。
「あっ…笹窪さ…はぁっ…ん…」
「もっと激しかったでしょ?」
僕の手元を見ているよりも顔を見てくる時間の方が長い。もしかして反応や表情を楽しんでいるのだろうか。
さっきから笹窪さんの方を向くと必ず目が合うのはそういうことなのだろうか。
「そんなに…ぁ…顔を…見ないでッ…」
僕は顔を隠すように反対側を向いた。
何も無い白い壁を見つめる。この方が見られている感が薄れるからいいかもしれない。
「ダメだよ。こっち見て」
「んん…」
笹窪さんは僕の頬を両手で包み込みまた向きを戻された。笹窪さんの顔がまた目の前にある。
そして両目にはしっかりと僕が写っている。
今、視界に僕だけが写し出されているんだ。
このままもう一度唇を重ねたい。
「…キスはイってから」
「っ…何で…はぁ…ぁ…」
僕がキスをしようとしたことを察して顔を離された。
そんなことされると早くイきたくなる。
ただでさえ僕はお預けを何度もくらっているというのに。
「あっ…う…ぅ…も、もう…いきそ…笹窪さん…」
「ストップ」
そう言うと笹窪さんは僕の手首を掴んで止めてきた。
また達しそうだったのに寸止めをされてしまい、興奮が収まらない“それ”はビクビクと動いていた。
いい加減しんどくなってきている。早くイって楽になりたいのに。
「…ん…何で…はぁっ…」
「……やっぱ手じゃ勿体ない」
何をするのかと思ったらまた咥えてきた。
先端の方を咥えて舌で舐め、他の部分は手で扱かれる。
「あぁっ、やっ…笹窪さんっ…でちゃいます…でちゃ…あっダメッ…」
「らひていいよ…」
咥えながら喋られるとくすぐったいのに気持ちよすぎて我慢が効かなくなってしまう。
口の中には出したくない、申し訳ない気持ちがあるというのに僕は笹窪さんの口の中で達してしまった。
「んんっ…」
「ぁ…ごめんなさい…はぁ…はぁ…ごめんなさい、口の中で…」
ずっと耐えていた分、今のでどっと疲れがきた。力がすっと抜けるように横に倒れる。
「ごめんなさい…口が…ティッシュに…」
笹窪さんは僕の頭を抱えキスをしてきた。
精液が口内に残っていて唾液と混ざり合う。
ドロドロで熱くて…意外と味がしない。
もっと気持ち悪いものかと思っていたので少し驚いてしまった。
笹窪さんは舌で強く押してきて僕はそのまま飲み込んでしまった。
「ぐっ…げほっ…げほっ、げほ……」
さすがに自分のを飲み込んだと思うと鳥肌が立ってしまった。
体勢を直したときに咳き込んでしまった。
飲み込みきれなかったものが口から少し零れて太ももに落ちてしまった。
「…これが歩生の味だよ」
そう言うと笹窪さんは僕の太ももを舐めてきた。
「んんっ…痛い…」
「ついでに付けちゃった」
太ももがさっきの液とは入れ替えに赤く蚊に刺された痕のようなものがあった。
吸い付いて出来たキスマークだ。
笹窪さんはいつもみたいに優しい笑みを浮かべた。僕はその顔に慣れずにドキッとしてしまう。
「歩生は経験あるの…?」
「な…」
無い…と言ったら笑われるだろうか。
全く経験が何も無いのだ。押し倒されたこと以外。
手を繋いだのもキスをしたのも笹窪さんが初めてだった。
「…ないですよなにも」
すごく恥ずかしくて小声で返事をした。
意地を張り「ある」と答えたところですぐバレるだろう。それだったら最初から素直に答えて不慣れな動きをしてしまっても恥ずかしくないようにしたい。
「俺が初めて?」
「そ、そうですよ…」
「…ヤバイ」
笹窪さんは突然強く抱きしめてきた。
少し苦しいくらいのそのハグで笹窪さんの鼓動が伝わってきた。ドキドキしている。
僕と一緒でこの雰囲気に興奮しているんだ。
「大切にするから。本当に俺が貰っていい…?」
頭を優しく撫でられ耳元でそう聞かれた。
“大切にする”
この言葉を僕は信じて受け入れていいのだろうか。
こういう行為に対して怯えなくてもいいのだろうか。
過去を忘れて笹窪さんに本当のその行為を教えて貰っていいのだろうか。
僕は強く強く抱きしめ返した。
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