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91本目、保護者。
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「薬はきちんと飲んでね。体調悪くなったらちゃんと休んで。」
「はい」
「…変な人にはついて行かないで身の危険を感じたらすぐ逃げて」
「は、はい」
あの後暖さんは一旦僕の家にあがりお茶を飲んでいる。
暖さんはこれから大学があるらしく、その前に僕の家に来たみたいだ。
「発情期中なんだからほんとに気をつけて、無理はやめて」
「大丈夫です、わかってます」
そんなに僕は危なっかしいだろうか?さっきから暖さんは僕にあれこれ気をつけろとか無理するなと言ってくる。
心配してくれてるのだろうけれど…。
「……本当に目を離したくない。少しでも辛い思いをして欲しくないんだよ、歩生には」
「…暖さん」
暖さんは僕の頬に手を置いた。
僕が写っているその目は本当に優しくて包まれているように感じる。そして頬から伝わる温度に安心感を覚える。
「……歩生」
だんだん顔が近づいてくる。
キスされる……の?
「……っとヤバい、間に合わなくなる」
「えっ…?」
「ごめんお茶ありがとう、突然来て驚かせてごめんね。とにかくいろいろ気を付けてね、じゃあ」
唇が触れるであろう寸前で暖さんはハッとして僕から離れるとさっさのそう言い残して家を出ていった。もちろんキスはされなかった。
「…どうしたんだろう」
キスを期待したままの僕だけがこの部屋に残っている。僕の頬には暖さんの温もりが残っていた。その頬に手を置く。自分で触れたところでドキドキしないし嬉しくもない。
(いつもだったら暖さんはキスしてくれる気がする)
たまたまなのだろうか?本当に間に合わないと言うだけでさっさと出ていってしまったのだろうか?優しさはいつも通りだったから嫌われたとかでは無いのだろう。
気にしすぎても本人に聞かない限り結局は分からないし、その間永遠とモヤモヤ考えてしまう。
一度心を落ち着けて他のことを考えよう。
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