アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
102本目、精神安定剤。
-
「……」
暖さんがまたトイレに行くと言って僕は部屋で一人窓の外を見ていた
すごく自然豊かでいい眺めだ
「……抑制剤飲も、」
まだ早いかもしれないが飲まないに越したことは無い
僕はカバンから抑制剤を取り出し飲んだ
薬って飲むと落ち着く
なにもかも気の持ちようなんだろうけど飲んでおけば大丈夫な気がしていた
でも飲みすぎたらあの日みたいに……
「…思い出すな、忘れろ、」
薬にばかり頼って
Ωだからだと、すべてにイラついてた
今思うと情緒不安定だったんだろう
一時期、3ヶ月に1度ほどしか来ないはずなのに発情期以外でも体がおかしくなっていた
全身が疼くような……
その期間は家にこもりっぱなし
その時期だろう
抑制剤の飲みすぎで緊急入院なんてことになったのは
抑制剤に加え精神安定剤までだされ
「僕は正常だ、」と反発して飲まないでまた自己嫌悪で苛立って
「……ダメだ、思い出すとまた、」
「どうしたの歩生」
「あ、おかえりなさい……
なんでもないですよ」
「……またひとつ歩生のこと知っておきたいな」
そんな目で見てくると断れない
でも万年発情期の精神異常なΩだって思われたらどうしたらいいの
嫌われたくない
「……、」
僕はまた視線を窓の外に逃がす
暖さんは構わず後ろから抱きしめてきた
「……俺が守るよ、教えて」
無理やり、な気もするけどこれが暖さんの愛情表現なんだ
信用していいのかな
いや、したい
僕は1通り話すことにした
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
102 / 595