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家
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「入れよ」
「お邪魔しまーす」
御影が俺の家に行きたいと言うから俺はそれをすんなり承諾し現在自宅に到着したところだ
「今飲み物出すから」
「別に気使わなくていい」
「逆に出さないやついたら嫌だろ」
いいよとは言われても客が来たのに茶1つも出さない家は早々ないだろう
「あ、悪い麦茶しかないわ」
「何でもいいから」
俺の家は両親がいない
別に死んだとかじゃないからな?
二人とも仕事上多忙な役割の立場で家にはなかなか帰らない
兄弟は兄貴が一人いる
遠くの大学に通うためマンションで一人暮らしの身だ
だから家には俺一人
本来四人家族の一戸建てには俺一人だけ
両親がいないのは慣れていたし兄貴と二人でいるのは楽しかった
でもその兄貴も家を出ていった
その頃俺は中3で次は高校生に上がろうとしていたときだ
本当はまだ居てほしかった
兄貴にも「お前が嫌ならいるぞ」って言われたけど
高校生にもなって男のくせにそれは情けないと思ったし何より兄貴に迷惑をかけたくなかった
だから俺は「大丈夫」とだけ言って兄貴を見送った
未だに慣れないこの一軒家の孤独な空間
俺はいつまで一人なんだろう
寧ろ一人の方が、他人に迷惑をかけずにすむから、
俺は一人なんだろうか?
「――い?――か?…おい?永嶋!!」
「!?」
やばい
家だからか一人でいる時の感じになってた
「悪い、あ、えっとなんか言った?」
「いや別に何も言ってねぇけどお前がボーッとしてたから何かなって」
「あー悪い悪い俺よくボーッとするからさ」
眼鏡越しの御影の瞳が一瞬鋭く見えた気がしたけど
特に気にならなかった
「なんか考え事か?」
「え?」
「悩みとか、あるのか?」
「な、何も…」
さっきまで自分の考えてたことを思いだし顔を反らす
御影がテーブルに手をついて身を乗り出してきた
「じゃあなんで目合わせないの?なんか考えてたんだろ?」
「だから、何もないって…家に人が来たのは久しぶりだなーとかそんなことぐらいだから」
「…ふーん」
なんとかやり過ごせたと思ったけど御影はまだ俺との距離を縮めようとしていて鋭い目が一際細まった
「…ねぇなんで俺を家に連れてきたの」
「なんでってお前が行きたいって行ったから…」
「そうじゃねー」
「は?」
「お前俺をここに連れてきた意味わかるか?」
「だからお前が行きたいって言ったから来たんだろ!?なんなんだよ意味って……うわっ…!」
本当に御影の言ってることがわからなすぎてイライラして怒鳴ってしまった
でもそれについて謝ると言う考えに至る前に俺の体は冷たい床に押し付けられた
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