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懐かしい森
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夕side
その日は、いつもより空は青く澄み渡っていて、
白い雲は綿飴みたいにもふもふで
たくさんお空に浮かんでた。
僕はね、そんな空を教室の机にべったりと張り付いてて見てたんだ。
「えへへっ、美味しそう」
ミーンミーンってセミの声が聞こえて、
クラスのみんなは夏休みの話に夢中。
僕はぼんやりと聞いていて
暑くて、そろっと顔を上げたときだった。
ぱっと視界が、世界が広がったのは。
「みんな、今日から新しいお友達が来てくれたわよ。
比嘉 実琴君よ。さぁ、比嘉君、挨拶をして」
「…はじめまして。ひが みことです。
……東京から来ました。よろしくお願いします」
ペコっとお辞儀した彼の姿はとっても僕に衝撃を与えた。
みんなが拍手をして、先生が何かを彼に言って、
みんなも楽しそうに何かを言っている。
でも僕はなんの音も聞こえなかった。
彼に夢中だった。
ずーっと見ていると、なぜか彼はこちらに歩いて来て一言。
「となりの席、よろしくね」
にこっと笑って席に着いた。
うわぁ、うわぁ…
なんて綺麗な子なんだろう
「ひが君はとってもきれい。
えへへ、ぶどうみたいだね」
「………は?」
えへへ、うれしいな、うれしいな
ぼくと
「おともだちになって?」
「…いいよ」
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