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懐かしい森
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夏休みの日だった。
あぜ道で座るわんこを見つけたのは。
「わっ!わんこ!」
「わん!」
「ほわぁ〜、かわいいね」
「ガルルル…」
「ひ、ひえっ!!?か、かっちゃん、助けて」
おつかいの帰りだったから、1人だった。
いつも一緒にいてくれるかっちゃんを呼ぶけど、
来てくれない。
「ふぇ、かっちゃん…」
怖くて、
買ったばかりのスイカをぎゅうぎゅうに抱きかかえて泣いた。
「さとみっ!」
「う?」
「怪我はない?」
「ひが君っ!」
駆けつけてくれたひが君に僕は安心してまた泣いて
「ひがって足速いんだねっ、夕ちゃんは大丈夫?」
と追いかけてくれたのはかっちゃんだった。
わんこの存在は夏休みに欠かせなくなった。
毎日会うたびに懐いてくれるようになったわんこ。
ぼくとひが君、かっちゃんの3人の秘密になって、
遊べる日はずっとわんこと3人で遊んだんだ。
もちろん、おばあちゃんたち、親にはバレたけど。
わんこ用のごはんを渡してくれるようになった。
ひが君のことを実琴君って呼ぶようになった。
実琴君は夕って呼んでくれるようになった。
毎日が嬉しくて楽しくて走り回って。
そんなとき、わんこが急にいなくなってしまった。
「夕、ごめん、俺のせいだよ」
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