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隠し事2
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桜が一枚、窓から部屋に入ってきた。
「わ、きれい〜ふふ、薄ピンク色かわいいなぁ」
太陽の沈みが早くて、寒い。でも、桜が咲いている。
実琴君も窓に目をやってから一言言うんだ。
「ほんとだ。春…って感じだな」
「ふえっ?!実琴君何言ってるの?僕がここの学園に来た時も桜が咲いてたよっ!」
そうしたら笑って、
「蕾だったけどな」だって。
むぅ。
さっきまでションボリしてたのに、もう人のことからかって…まあ、元気になってくれたのは嬉しいけど(´・ω・`)
「ね、夕。俺は安心した」
「ほ?」⊂((・x・))⊃
「夕と居られるの、安心した」
窓の外はキラキラしてる。オレンジ色の、まん丸な太陽が、沈んでる。
ライトアップしてある桜並木も、キラキラ。
でも、
「実琴君も、キラキラしてるねっ」
僕はいま、とってもきれいな人を見てるんだなぁ…
夕日と桜と実琴君。
でも、僕にとってもこんな光景は当たり前なの、
「だからね、あのね、」
あ、あれ?僕また変なこと言ってる…よね、
また実琴君のお返事に合っていないこと言っちゃった!?
て、訂正しないとっ
「ふふっ、」
え?笑ってる?…
「夕は、相変わらず夕だよな、安心する。ふふっ。
大丈夫、ちゃんと、分かってる」
「ほんと?」
実琴君の目は優しくて、お口も優しく笑ってる。
僕のいいたいこと、
なんでもわかっちゃうの、?すごい、すごいなぁ…
「僕、僕もね、実琴君と一緒なのは嬉しいな」
「うん。同じだな」
「うん!」
一緒にいることが当たり前。
離れる想像ができないくらい、
あなたが必ず側にいる存在なんだってこと。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
実琴君side
「スゥ、スゥ…」
ソファの上で眠りこけた夕にブランケットをかけてやる。
そしたらすぐにその下に顔をすっぽりと入れた。
「くくっ、こいつは猫か」
ずっと思っていた。初めて合った時からこの子は少し変わっているところがあるって。
でも、考えてることがいちいち可愛くて、優しくて
もちろん、行動も。
「夕のそばが落ち着くの、俺だけじゃないんだよ」
お前が知らないだけで。
お前もキラキラしてるところ、多いんだよ。
さっきだって、俺を助けてくれたんだ。
「え?実琴君、この理由でションボリしてたの?」
「うん。大事なことで驚いた?」
嘘。全然大したことない。
俺が、夕と少し離れるだけ。それだけ。
わかってんだよ。
学生の留学について行くだけって。でも、俺には夕が必要で、最近視界に入らないだけで無性に会いたくなるんだ。
でも見捨てないで。
「実琴君…」
俺が一度、自分で夕から離れたこともある。
でも、今はダメ。これからも、だめだ。
「大丈夫…?」
やめて。俺、弱くなってる…
離れることに怖いと思ってる。
いってらっしゃいとか、
笑顔で俺のこと突き放さないで…
「実琴君っこっちを向いて?」
ほっぺを両手で挟まれる。目を合わせると夕はにっこり微笑んで。
何を言うつもりなの。
「夕、俺…、やだ」
「うん。なあに?」
嫌なんだよ、怖いんだ…
「ゆ、」
「実琴君、僕離れたくないなぁ」
「…お、れも、夕から…離れたくない」
「ふふ、僕たちおんなじ気持ちなんだね?
よかったぁ。
…ね、緒十彦おじさんにお願いしちゃおうか?
実琴君の留学生徒との同伴を取りやめてくださいって」
「!」
驚いたんだ。夕がそんなこと言うなんて。考えもしなかったから。
そのあと、本当に理事長室に駆け込むし、じじいにお願いするし、…結局は取りやめにできなかったけど。
じゃあ留学期間中に休日が取れたら会いに行くって言い出すし。
俺は夕、
お前に心が、救われてる。
好きだ。
心が、軽くなった。
「ありがとな」
チュッ。おでこにそっとキスをした。
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