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『【パセリ】 花言葉:お祭り騒ぎ』
*
「君が新入居者さん?」
「はい、4thFloor Room3西彼杵希偲と申します」
*
無事に戦いが終わったあと希偲は福山と杉田に連れられ残りの場所を案内してもらった。
12Floor 最上階の大浴場や 11Floor ジム。
使用可能時間や清掃の時間帯。
10Floorから2Floorまでは各個室であること。
そして、1Floor
「あちらはメイドの方々のお部屋になります」
「あっちの入口にはコンシェルジュ室でさっきいた厳ついサングラスが住み着いてるんだよ」
福山と杉田が希偲に交互に説明していく。
そして、次が食堂となった。
「「どうぞ、こちらが食堂になります。希偲様」」
扉の向こうには黒の丸いテーブル、黒のイスが何個も置かれている。
その奥にはオープンキッチンが。
そして、人いっぱいいた。
私服で座っている人たちの後ろに黒いスーツを着た人がたっている。
「あ、潤だ!」
福山と希偲に寄ってきた華奢な体をした人。
にっこりとした柔らかい笑顔に一瞬女性と見間違う。
後ろから着いてくるスーツの男はがっしりとしたがたいだが、割とスラッとしている。
「この子が潤の対象ちゃん?」
「はい。」
「君が新入居者さん?」
「はい、4thFloor Room3西彼杵希偲と申します」
「そっかそっか、いい子そうで何よりだね。僕は2nd Floor Room1に住んでる対象の神谷浩史です。よろしくね」
神谷浩史と名乗った男は手を差し出し希偲に握手を求める。
おずおずと手を伸ばし神谷の手を握る。
手を離すと神谷のSSらしき人物が希偲をじっと見ていた。
「ちょっと小野くん。そんなに見てたら希偲ちゃんが怯える」
「あ、すみません」
少し低めの声をした小野という男もこれまた優しそうに笑った。
優しそうというか、くしゃっとなるような感じで。
少し俯いてたからか前髪で隠れていた瞳がしっかりと希偲を捉える。
「神谷さんのSS、小野大輔です。潤のことよろしくお願いします」
「あ、はい。…え?」
「D、それちょっと違う」
「へ?」
きょとんとした顔に無自覚の天然だろうとふと考える。
福山と神谷は同時にため息を吐き、小野を見た。
困惑する小野。
「ただいまでーす!」
「…ニーソ足りない」
「まじぃまだ言ってるの?僕が履いてあげようか?」
「うーん」
新しく入ってきた2人の男。
楽しそうに談笑している。
他の人たちとは違い2人とも私服だ。
「まぬがす、まじぃ、新しい入居者さんだよ」
2人を呼んだのは小野。
メガネをかけた人の方が若干背が高い。
「こんにちは〜、6thFloor Room5 対象の菅沼久義です。よろしくね」
「同じくSSの間島淳司だ」
2人ともとてつもなく優しそうで、カッコつけても優しそうという印象は消えなかった。
先ほどのように希偲も挨拶すると2人はキッチンの方へと行ってしまう。
「あと2組入居者がいて片方はこの時間には部屋にいると思うし、もう片方はまだ帰ってこないかな」
小野はそう言うと希偲を座るように促す。
四人掛けのテーブルにまず、希偲と神谷とそれから菅沼が座る。
福山、小野、間島はその後ろに控える。
「はい、サービス。新しい入居者にね」
出された紅茶とともにとてつもなくバリトンないい声が響いた。
綺麗な色をした紅茶からは湯気がたち甘いいい香りがたちこめている。
添えられたクッキーは多分チョコチップ入だろう。
「食堂の責任者で料理長の安元洋貴です」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「ナイス、あんげん」
「神谷さんあんたいい加減その呼び方やめないと飯の中におから入れますよ」
「ちょっ、それだけはほんと勘弁」
焦る神谷に笑う一同。
けど、希偲はそんな中自分はここにいていいのかと考えてしまっていた。
本来なら自分は許されない存在ではないだろうか。
「希偲ちゃん?」
ふと、意識を戻すと杉田がにっこりと笑っていた。
中村が神谷と菅沼の間に座る。
あぁ、どうしてだろう。
幸せなのにこの時間がとても辛い。
優しくて優しすぎる時間。
あぁ、嫌だ…。
考えすぎたのか何だかグルグルしてきて吐き気がこみ上げてきた。
希偲は立ち上がり共同の洗面所へと走る。
「希偲ちゃん?!」
「希偲様!」
皆が唖然とする中福山だけは希偲のあとを追った。
*
静かな道。
道に迷って辿りついた先には楽しそうなお祭り。
いつの間にか自分も混ざっていた。
けど、人が多いな。
けして、混じることの出来ないその場所。
『【パセリ】 花言葉:お祭り騒ぎ』
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