アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
File.12 ボツ
-
File.12 ボツ
理由:話の進み具合が暗くなり過ぎたので急遽ボツになりました。ここらへんで一旦スランプ突入しました。
【夢見たっていいんだよピーターパン】
*
大きなショッピングモール。
ここで、希偲らはすこし特殊な買い物を始めていた。
「あの、立花さん…」
(無視)
?
「はぁ?!」
「くじ引きでSSと対象をシャッフルする?!」
「うん!」
神谷はキラキラした目でみんなへと話す。
くじの箱をダイニングホールのテーブルに置いた。
「こっちがSSので、こっちが対象ね!」
「あはは、みんなごめんな。昨日ラブシャッフル見て」
皆、こうなった神谷は止められないと分かっているのか諦めるとくじを引き始めた。
「んじゃ、パートナーを発表!!」
☆福山、神谷ペア
「ごめんね、希偲ちゃん。せっかくSS認めたのに…」
「別に認めたわけじゃないです!」
☆小野、日野ペア
「わーよろしくね、D」
「よろしくね、日野ちゃま」
☆立花、希偲ペア
「よろしくお願いします」
(無視)
「すみません、今日はデートなので…」
と、達央と信長は行ってしまい
「今日はすがぽんの部屋でアニメの鑑賞会するんです」
「ごめんね、ずっと前から約束してたから…」
と、間島と菅沼も食事を終えると部屋へと戻ってしまった。
?
というわけで。他のペアは上手くいっているようだが立花と希偲のペアは会話すらままならなかった。
そのうち希偲も諦めてしまい無言なままショッピングモールを巡る。
スーツ姿の立花は希偲の斜め後ろで控えながらついていく。
歩いていくとあまり見慣れない光景に他の客が希偲たちを見ていた。
「あの、日野さんへのプレゼント買わなきゃなので立花が何か教えてくださらないと何もわからないんですが…」
「陶器は割れた場合危ないですし植物などは感情の変化で腐らせてしまう可能性も。それに…」
「日野さんの好きなもの買ってきて下さい」
希偲はそう言うと革製のベンチへと腰を下ろした。
立花は表情を変えずに希偲を見る。
「お一人では危険です」
「…大丈夫ですよ。いざとなったら自分でどうにかします」
「なら、潤もいらないんじゃないの?」
「え?」
先ほどとは打って変わって冷たい声。
なくなった敬語。
鋭い目つき。
「潤を振りまわすなよ、自分の都合で。だから、女っていうのは嫌いなんだ」
「…それ、本人に言った方がいいんじゃないですか?」
「は?」
希偲も負けじと言葉を返す。
けして、感情は大きくならない。
お互いいつもと変わらないトーンで話している。
「別に私だってSSはいらないです。こんな自分には分不相応だと…」
「それ言うなよ。その言葉は潤への侮辱と同じだからな?」
「…すみません。確かにそうですね。私の言い方が失礼でしたね」
「潤のこと傷つけないでよ?潤は宗家の次期当主となる逸材だ。お前みたいな汚らわしい獣とは…」
「しんちゃんストップ」
立花が振り向くとそこには日野が立っていた。
もちろん小野も。
日野は立花に近づくと思い切り頬を叩いた。平手で。
「?!」
「日野?!」
「…ひ、の…くん?」
「お前はあくまでSSなんだ。対象に対して出すぎた真似をするんじゃない」
「…っ、申し訳ありません」
「僕じゃないんじゃないの?謝る相手は」
「西彼杵様、申し訳ありませんでした。出すぎた真似を…」
立花は肩膝をついて希偲へと謝る。
だが、希偲は立ち上がって立花の頭を撫でた。
「希偲ちゃん?!」
「別にあなたの解釈間違えてないと思うし福山さんを思う気持ちもよく分かりました。別に出すぎた真似だとは思いませんよ」
「ですが‥‥」
「ほら、こっち向いて下さい。あーあ、赤くなってる」
希偲はしゃがむと立花の頬をさする。
癒えていく傷。
希偲は微笑むと再び立ち上がった。
「私は小野さんと買い物をするのであとはお二人で話してください」
「ですが…」
「日野さん…ですよね?叩かれると痛いんですよ?立花さんは福山さんのことを思って話したんです。あなたには関係ないことだったんですからちゃんと謝ってくださいね?」
希偲はそう言うと小野とともに歩いっていった。
*立花 日野side*
「しんちゃん、ごめん。痛かった…」
伸ばした手は立花によって跳ね除けられた。
立花は立ち上がると日野を見る。
「別に。その優しさは奥さんにあげなきゃいけないんじゃないの?どうせあと数ヶ月でこのペアも解消なんだから気にしなくてもいいと思うよ」
「しんちゃん、俺は解消なんて…」
「いや、ダメでしょ。結婚したのに元恋人がSSって」
立花はそう言うと表情は一変して優しそうな笑顔となった。
日野は泣きそうな顔して立花を見る。
「もう僕には潤しかいないんだよ。僕の大事な弟。まあ、日野くん…聡も大事な弟だけどね?ほら何がいいの、クリスマスプレゼント」
「しんちゃん…、ごめん。ごめんね…」
「何が?さっき殴ったこと?それとも、黙って結婚したこと?」
「…っ」
「謝らなくていいよ?それが当たり前のことなんだから。例え血の繋がらない兄弟だとしても兄弟が恋人だなんて…おかしいでしょ?」
「しんちゃん」
「立花やめろ」
「潤」
不意に誰かが立花の手を引っ張った。
それは福山で。
彼は引っ張ったついでに立花を引っぱたいた。
「日野のこと苛めんなよ」
「潤も僕の敵なの?」
「違うよ。でも、人は傷つけちゃダメだって。兄さんにはそんな人になって欲しくない」
「…っ…」
立花は福山の手を振り払うとどこかへと行ってしまった。
福山は日野の方へと顔を向けた。
「潤、神谷さんは?」
「Dに返してきたよ」
「そっか」
「うん」
二人はそれ以上話すこともなく歩き出した。
*希偲、神谷、小野*
「あれも可愛いなー、うーんこれもいいかも」
「ねえ、希偲ちゃん」
「はい?」
小野がふいに希偲の名前を呼んだ。
神谷は少し遠くで雑貨を眺めてる。
「俺も同じ気持ちかな」
優しそうに笑う瞳の奥には得体の知れない禍禍しい黒が渦巻いていた。
小野は希偲を撫でると優しくゆっくり話した。
「潤は特殊な人生を送ってたんだ。それはもう苦痛の。茨の人生を。だから、やっと幸せが巡ってきたのにその前に傷ついて欲しくない」
「それは本人に言ってあげたらどうですか?彼が茨の人生をおくってるなら私もそうですし彼の人生なんて私には関係ないです。私たちは別に信頼関係もない仕事での間柄ですから」
希偲は一気に捲し立てると長いまつげを揺らしながらゆっくり瞬きをした。
小野は微笑むと再び口を開く。
「そうだね。でも、俺は今のことじゃなくて未来(さき)のことを言ってるんだよ。この先二人に信頼関係が生まれたときにもしも希偲ちゃんが潤を傷つけたら…許さないから」
あまりの威圧に背筋が凍った。
小野は優しい人間だけど、優しくない人間だ。
きっと大事な人のためなら正攻法でもなくても相手を陥れるなら何でもするだろう。そんな雰囲気の人。
「だから?」
「神谷さん」
神谷は腕を組み小野を見ながら大きくため息をついた。
先ほどとは違う意味で背筋が凍った。
実際にこの三人の空間だけが冷たくなっている。
「傷つけたら許さない?何それ。そんなの小野くんが言う権利あるの?」
「神谷さん!だって、俺らは…」
「傷つこうが傷つかまいがその道選んだのは潤の責任だ。だから希偲ちゃんにそんなこと言う必要ないよね?」
にっこりと笑う神谷に背筋が凍った。
沈黙する小野。
「やっぱり私がいると争いが起きちゃいますね」
「希偲ちゃん…?」
「混妖の鬼は争いの象徴」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 60