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File.√14(Fin)
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穏を愛した獣に成り果てて
*
あの日、すべてが終わって約400年後だった。彼女が彼女として意識を芽生えさせたのは。
あの日死したのは『鬼』である彼女で、紛い物であり続けた彼女はそこで死んだ。
そして、新たに『麒麟』だけとしての彼女が産まれた。身体的な欠陥だらけの体で。
失明した【右目】、あるのにピクリとも動かない【左手】、一人で歩いて行けない【両足】、食物を受け付けない【内臓】
もしかしたら、明日こそ本当になくなる運命なのかもしれない。だけど、少しでいいからここにいさせて欲しい。
「お願い、ここで生きていたい。どうか、許して」
*
「こんにちは、今日から入居のSSの日野慎之介と」
「対象の立花聡です」
お揃いの指輪をした狐と童子の夫婦
「初めまして、お嬢様。本日よりあなた様に仕えさせていただきます、福山潤です」
吸血鬼と番になった金鬼
「こんにちは、2ndFloor Room1の神谷浩史さんのSSの小野大輔です」
新しく歩み始めた狼と雪男
「初めまして、鬼族65代目当主 菅沼久義です」
「SSの間島淳司です」
二人に挟まれた銀鬼は烏天狗と番になり
「久しぶり、希偲」
真っ直ぐこちらを見てくれる大蛇と悟
「おかえり」
笑ってくれるかつての伴侶
ほら、これだけでもう十分だ。振り向かない、前にももう進まない。ありがとう。さようなら。
「お願い、みんなが幸せに。どうか、叶えて」
*
『混妖×僕SS』epilogue 完
みんなを愛した穏獣の悲しい美しい愛しいお話
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