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桜の花びらがさわやかな風によって舞い散る。
それらはこの春、
新たな学び舎で三年間を過ごす
少年たちを鼓舞するかのように
降り注いでいく。
大きな校門を、少しぶかぶかな制服を
身にまとった男子高校生らがくぐる。
”ここが松崎宮之原第三高校、
通称・松三かぁ……。”
こう思いつつ、校門の前で
深呼吸をした新田空も
この男子高校生らの一人だ。
私立である松崎宮之原の系列高校は
偏差値が高い順に、
第一、第二、第三となっており、
それぞれ女子高、共学、男子校である。
と言っても、第一の偏差値は
70あり、第三でも65はある。
つまり、松崎宮之原は
屈指の進学校として名高いのだ。
また、比較的3校とも密集しているので
よく第一や第二の生徒を見かける。
松崎宮之原は男女ともに
ルックスが良く、
頭も良いということで評判だ。
すなわち……。
”かわいいorきれいな女子がそこらへんに
うじゃうじゃいるってわけだぁー!
待っててね、俺の虹色のスクールライフ!”
空はうきうきとしながら、
門をくぐろうとした。
「よっ、そら!何突っ立ってんだよ!」
バンっ!
「痛って!」
突然背中を平手打ちされ、
空は声を上げた。
”こんなことすんのはあいつしかいねぇ…!”
空は振り返り、その犯人の名を言った。
「……んだよ、稔!」
稔は空の幼なじみで親友、そして恩人だ。
空はもともと松三に来るための
学力はほとんどなかった。
そんな空に、稔はあれこれと
手を尽くしたのだ。
そのおかげで中学終盤で成績は
飛躍的にアップし、
こうして空は、第三の
高校生になることができた。
ただ、空は疑問に思うことがあった。
稔は本当に昔から頭がいい。
いや、良すぎる。
だから、なにも松三ではなく、
松二に行けば良かったのに……。
きっと楽々受かっていただろう、と。
すると、ボーっとする空を
見かねて、
稔は空の背中を押した。
「だいじょうぶ。
空が留年しそうになったら
俺が助けるから。」
「ち、違うもん。
俺が思ってたのはそうじゃなくて……。
いや、まぁ助けてもらうと
思うけど!!」
空と稔はそんなことを言い合いながら
松崎宮之原第三高校の校門をくぐった。
空たちを含めた様々な男子高校生たちの
新たなスクールライフが幕をあけたのだった。
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