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稔の突然の言葉に、
空は驚き声も出ない。
むしろ稔の真面目な顔が正面にきて、
直視できずに照れてそっぽを向いた。
”イケメンだし、イケボだしずるい。
女子だったらいちころだな……。
でも、稔、お前はそういうキャラじゃねぇー!”
空は照れモードからノーマルモードに
切り替え、
「ばーか!なに言ってんだよ。
んなの、女子に言えよな!」
と言って稔の手をふりほどき、
そのままの手で稔の頭をパシッと叩いた。
「いてっ。ったく、冗談だよ。」
「そんなことわかってるよ!今朝のお返しだもんね!」
そう言って、空はトイレの出口へと歩き始めた。
稔もそれについて出口へと向かった。
すると、トイレを出ようとした矢先、
稔が”先に帰ってて”と言った。
その時の稔の顔は冷静を保ちつつも、
どこか焦っているように見えた。
幼馴染である空の目はごまかせない。
しかし、空は稔に感じたモヤモヤを
感じながらも追求はしなかった。
なぜなら、空は稔が焦っているところを
あまり見たことがないからだ。
「わかった」と答え、空はやっぱり浮かない表情を
しながらも教室へと戻った。
「くっ……ん…。」
稔は一人トイレに残り、自慰をする。
”キスしようとしただけで何勃たせてんだよ……!”
稔は自らを叱責した。
空を壁ドンしたとき、
稔は本気でキスをしそうになった。
やはり、入学式での
陸と海のキスが要因で、
影響を受けてしまったのか……。
”とりあえず一旦出さなきゃ……”
稔は自分のそれをしごく手の速さを段々速くしていく。
それと比例するかのように、
水音が生じる頻度が増えていく。
「あっ…、んんっ……!」
稔は必死に声を噛み殺し、
白濁液を体外へと出した。
稔は自分の手についた
その液体を無言で洗い落とした。
そして、トイレを出て教室へ戻ろうとすると
後ろから陽気な誰かに声をかけられた。
「いけねぇなぁ、稔クン。」
稔はバッと振り向いた。
そこには蓮が立っていた。
「何がいけないのかな、蓮くん。」
稔は身構えて、蓮の出方をうかがう。
それに対して蓮は口元は笑いながらも、
声に不気味さを混ぜて答えた。
「幼馴染だからって、
無理やりおっぱじめようとしちゃ
駄目だって言ってんのさ。」
”この男に見られたか……。”
稔は蓮をキッとにらんだ。
蓮は余裕そうな笑みを浮かべる。
「保科蓮、君は空のことが好きなのか」
稔は直球で尋ねてみた。
蓮はフッと笑った。
「好き……まではいってないよ。
でも、お気に入りではあるかな。
だからさ、稔。
これからはフェアプレーでいこうよ。
それにさ、俺は気付いてるけど、
君も気付いてるんじゃない?
今、空はある人に心を奪われそうになってる。
本人は気付いてないと思うけど、
もう奪われてるかもね。
体育館での様子を見るに、おそらく……。」
「やめろっっっっ!!!!」
稔はとっさに声を荒げて蓮の言葉を遮った。
「言いたいことはそれだけか?
昔から俺は空のことが好きだ。
友達としても、それ以外でも……!!」
「うん……。そうだね、よし、
お互いにがんばろうなぁ~!」
にやりと笑い、蓮は答えた。
空の知らないところ、
かつ身近なところで、
空争奪戦が始まったのだった。
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