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「こっちにはないですね……。」
「そうだね、僕らのほうも見つからないなぁ、
たいていは通った道を
たどれば見つかるんだけど……。」
捜索から小一時間経つが、鍵は見つからない。
それはそうだ、
海がもっているのだから……。
「いったん休憩しよっか!」
エースの言葉で一同は休憩に入った。
空は廊下の壁にもたれて座り、
ひざに顔をうずめた。
このあとどうすればいいのか、
それだけを考えていた。
すると、廊下の空気がガラッと変わった気がして
空は顔を上げた。みんなの視線の先には
エースに話しかけている海の姿があった。
海は不良モードのため、
顔色を変えずに淡々と話している。
「これ、さっきそこらへんで拾ったから
おまえに任せる。じゃ。」
「あ、はい。ありがとうございます、副会長……。」
エースが海から受け取ったものは
空の部屋番号が書かれたカードキーだった。
その場にいた生徒みんなが
ポカンとした様子で海の背中を見送る。
先に我に返ったエースが
気を取り直して空に声をかけた。
「よ、よかったね、一年生くん!でも副会長に
お礼言い損ねちゃったね……。」
「は、はい……。」
空はあいまいに返事をしつつも
慌ててエースに頭を下げた。
「本当にありがとうございました!」
「いいんだよ、これも実働部隊の仕事だしねっ!
えっと……名前教えてもらっていい?」
「新田空です!」
「新田…空くんか……。
うん、また何かあったら言ってね!
じゃあね、新田くん!
……また会おう。」
最後、エースの雰囲気が変わったような気がして
空は目をパチパチとさせたが、
どう見ても相変わらずのかわいい笑顔でなので
”気のせいか……”と思い、
深くは考えなかった。
”分かりやすいなぁ……”
海がいたとき、
空の無意識になったわずかな赤面を見た
稔、蓮、そしてエースはそう心の中で呟いた。
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