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海は何をされたのか一瞬分からなかったが、
すぐにされたことに気付き顔を赤らめた。
「……もう、ずるいよ空くん……。
僕も、空くんのこと……好きだよ……。
ね、だから、もっとキス、して。」
海の手が空の顔を優しく撫でた。
空は再び海にキスをした。
その後、二人は寄り添うようにして
ベッドで寝た。空は泣き疲れたのか、
ぐっすりと眠っている。
海がそっと空の頭を撫でると、
空はかすかに笑った。
”かわいいなぁ…”
海は空を起こさないように
静かにベッドから立ち上がる。
「空くん、ちょっとごめんねっと。」
海が手にしたのは、
机の上に置かれていた空のスマホである。
ロックがかかっていないことに驚きつつ、
海は緑のSNSアプリを立ち上げた。
”きっと、空くんにはやましいことなんて
無いんだろうな”と、海は思った。
海は自分のスマホを近づけ、
位置情報により友達登録を完了させた。
お互いの画面に、お互いのアイコンが
映し出される。
「空くん、後でびっくりするかな?」
海はニンマリと笑い、紙とペンを手に取った。
”また会おうね!”と書き、
海はそのまま部屋を後にした。
時刻はちょうど昼休みの後くらいになっていた。
海は気付かないうちに三時間以上、
空の部屋にいたのだ。
”きっと空くんといると時間がすぎるのが
マッハになっちゃうんだろうなぁ~”と、
不良を演じつつもニヤけてしまう。
軽く何かを食べようと思った海は、
食堂へと足を運んだ。
おにぎりを買い、適当に座る席を探す。
すると、昼休みはもう終わっていて
誰もいないはずなのに、うどんを食べている人がいた。
海はその人のそばまで歩いていく。
「今日は職員室じゃなくて
こっちで食べてるんですね、蔵本先生。」
「ん?よぉ、不良ごっこしてる副会長さん。
お前も今昼飯か?」
「はい。あ、ココいいですか?」
「どーぞ」
海は類の前に座った。
改めていうと、
類は空たちの担任であるイケメン教師で、
担当は数学である。
海の裏を知る数少ない人物で、
海にたまに数学を教えている。
また、エースの叔父でもある。
「エースは生徒会の仕事をちゃんと
こなしていますよ。」
海がエースのことを褒めると、
類は口元だけでフッと笑った。
「あいつのことだ、
いつボロが出るかわからねぇ。最近なんか
怪しい動きしてるみたいだしな…。
気をつけろよ、あいつ、
お前たち兄弟のことに対しては
なぜか敏感になるからな。
あと……。
お前最近、俺のクラスの
三条、保科、新田と何かあっただろ。
やけにエースがベタベタしてくるんだよ、
気持ちワリィ…。」
「なんのことでしょうね。
ていうか自分の甥に対してそれは言い過ぎでは……。
まぁ、何だかんだで色々心配してるんですよね!」
「お前もなかなか気持ち悪いな、
やけにテンション高いぞ。」
そう言うと、類は立ち上がり
うどんの器を返却口に返しにいく。
そして再び海のもとに戻ってきた。
類の紫と灰色のオッドアイが、
海の目をまっすぐに捉える。
「お前のことだから分かってると思うが、
エース絡みだからって俺を巻き込むなよ。
めんどくせぇから……。
じゃ、達者で。」
そうして類は食堂から出ていった。
食堂で一人になった海は午前中に
あったことを振り返る。
明らかに空の様子がおかしかったこと。
三条稔が自分に対して
やけに突っかかってきたこと。
もし、これにエースが関わっているのなら、
それは陸も関わっているような気がする。
これが本当だとしたら……。
嫌な予感がする。
エースがあの三人をマークしているなら、
陸もきっとそうだ。
「いや……。」
首を横にふり深呼吸をする。
海はまず、危険を承知のうえで
空の親友である稔と蓮に話を
聞くことを決意した。
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