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朝のホームルームが終わった途端、
類が空のもとへ歩いて行く。
類が個別に自分から生徒のもとへ
行くことは滅多にない。
空だけでなく、周りの生徒もビックリしている。
「三条と保科は?」
「えっと、何か用事があるんで休むらしいです!」
類の質問に、空は聞いたことをそのまま伝えた。
「用事ね……。分かった、ありがとう。」
それだけ言うと、類はそのまま
教室から出て行った。
"よく考えたら、二人一緒にだなんて珍しいよな"
と、空は考えこんだ。
これは明らかにサボりだ。
蓮はもしかしたらしかねないかもしれないが、
あの真面目な稔はサボりすらしない。
何かにまきこまれたのだろうか。
”もしかして俺のせいで会長に何かされた?!”
嫌な考えが脳裏に浮かぶ。
稔と蓮に無事会えることを祈りつつ、
空は授業に臨んだ。
ガラガラッ!ピシャッッ!!!
海が職員室の戸を勢いよくひらき、
戸のガラスにひびが入る。一時間目の授業の
準備をしていた先生たちは動きを止めた。
「蔵本いるか?」
海は鋭い眼光で目の前にいた若い女教師に聞く。
「えっえぇっと、くっ蔵本先生っですね!
えっと、えっと…」
「俺をお探しかな副会長。」
涙目になっていた女教師の頭を
ポンポンして蔵本類が海の目の前にやってきた。
「蔵本……数学やるぞ。」
「数学、ねぇ……。ほんとどいつもこいつも
ウソが下手…いや、なんでもない。
そんじゃ自習室行くか。」
「……おう。」
こうしてイケメン二人組は自習室へと向かった。
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