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数時間後、生徒たちが徐々に
起き始め、学校でのまた新たな1日を
迎えようとしていた。
空は稔と蓮を連れて
海の部屋の前へ来ていた。
「うーん、遅いな……。
朝ご飯をみんなで一緒に食べようってことで
ちゃんと時間通りに来たのに……。」
空がコンコンとドアをノックするが、
人が出てくる様子は無い。
「まだ寝てるんじゃないか?
これ以上待っていたらごはんはおろか、
学校に遅刻してしまうぞ。」
確かに稔の言う通り、時刻は、
朝ご飯を食べて
学校に間に合うのにギリギリであった。
「メッセージを送っとけば?」という蓮からの
提案もあり、空は海にメッセージを送った。
すると、かすかにではあるが、
海の部屋からメッセージの受信音がする。
「今、音したよね…」と空がつぶやく。
「なんか、こういうのってサスペンスみてぇ…!
ドアのカギは空いてっかな?!」と蓮は
ワクワクしながらドアノブをまわしたが、
ドアはピクリとも動かなかった。
「…………チェッ」
「”チェッ”ってなんだ。ていうか、
寮の部屋のドアはオートロックだ。」
「もしこれでドアが開いて海さんが
倒れてたら、蓮をきたねぇ花火に
するとこだったよ……。」
「え、マジ……?!いやいや冗談
きついよ~空ちゃん~ハハ…」
空と蓮のやり取りを見て、稔は
溜め息をついた。
「メッセージを送信したんだし、早く行くぞ。」
「そんなに急がなくたって
天丼ざるそばセット780円をバカにすんなよ?
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「空、食い意地が張りまくったバカのことは
放っておいて、食堂に行くか。」
「うん、そうだな」
「えっ、待って二人ともぉーっ!!」
3人が去った後、陸の部屋の前には
エースが来ていた。
”会長は2泊すると言っていた。
ということはもう帰っている可能性も…。”
エースは類の言葉を思い出す。
”確かに類にぃの言う通り、
謝るのなら早いに越したことはない。
実際、僕も心のどこかじゃ
もう他人を傷つけたくないと思っていたんだ。
でもそれを行動に移してしまっていたのは、
きっと……
会長のことを
放っておけなかったから…。”
エースは2日前の早朝に陸と
会った時の陸の悲しい笑顔を頭に思い浮かべた。
”あんな顔、2度としてほしくないから……。”
エースは深呼吸をし、陸の部屋のドアをノックした。
「会長、エースです。
……至急、大事な用件があるんです。」
しかし、部屋の中からは物音ひとつせず、
人がいる気配すらしない。
まだ帰っていないのかと思い、
エースはもと来た道を帰った。
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