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「あれ、こんなに小さかったっけ?」
あれから結局僕達はたっぷり1時間以上の時間を行為に費やした。
適当に身支度を済ませて水族館に到着したのは、ついさっきのこと。
「きっと俺達が大きくなったんだよ」
遠い昔、両親に連れて行ってもらった時にはとてつもなく大きく感じた水槽が、今となっては随分小さく見えるから不思議だ。
のっぺりと構えた水槽には、自由に泳ぐ色とりどりの魚。
ゆらゆらと動くその魚を撫でるかのように、夕の白い手はアクリル板の上をさまよう。
青い光が端正な顔を包む様は、ため息が出るほど美しい。
「昔、あまりに大きいから泣いちゃった思い出があるな」
「水槽が?」
「うん。…水槽も、魚も。」
「はは、朝陽の小さいころ、見てみたいかも。……朝陽が泣くのはベットだけだし」
「っ、…!ばか!」
こんなに人がたくさんいる場所で聞き捨てならない言葉をつぶやいた夕に、背中でも叩いてやろうかとあげた右手はひらりとかわされてしまう。
「お土産屋さんだ」
そのまままるで宝物を見つけたみたいな瞳で駆け出す夕。まんまと流された感じは否めないけれど手を握られた僕は仕方なくそれに続いた。
「こういうのって、くだらないと思ってもついつい買ってしまうんだよね」
「場の雰囲気、ってやつかな」
さっき手をあげたことなんかすっかり忘れて、僕はストラップがたくさん並んだコーナーをきょろきょろと見回した。売り物でも何でも、こうやっていろいろな物が大量に陳列されている様は見ているだけで楽しい。
「これなんか、綺麗だよ」
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