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「んっ、…ゆ…ゆう、まって」
「やだ」
「んんっ…う…」
一方的な、貪るようなキス。
無理矢理こじ開けられ暴かれた舌を吸われたと思えば、軽く唇を噛まれる。
―・・食べられてしまいそうだ
どうして、こんなことに。
コンビニを後にしてバスに乗り込んだあたりだった。
夕はそれまでの笑顔とは一変、能面のような顔をして終始無言を決め込んだのだ。
体調が悪いのかと聞けばそうではないと言われ、訝しげに放った視線さえも拒絶される。
…機嫌を損ねた風にも見えなかったので、僕は白旗を振り大人しく座って外をながめることにした。
学園前のバス停に到着し手を握られた時は流石に焦った。
日は暮れていたとしても、まだ部活動等で外に出ている生徒がいるかもしれないからだ。
男子校だけあってそういうことに多少の理解はある。しかし僕と夕の関係はあまり口外したことがなかったし、好奇の目で見られるのは避けたかった。
それに加えて容姿、成績全てにおいてトップクラスの夕にはファンが多い。仲良くしているだけで下駄箱がめちゃくちゃになったくらいなのだ。見られて悪いことはあっても、良いことはないだろう。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、夕は何も言わずただ僕を引きずることに徹した。
そして寮に着き、部屋の玄関に足を踏み入れたとたん。
握っていた手をひっぱられて抱き寄せられる。夕の手から荷物が落ちたのか、ビニールが擦れる音が聞こえ、あ、サンドイッチが、と思った瞬間塞がれた唇。
夕の巧みなキスが、ふいにおきた出来事にパニックになった僕の体、心をどろどろにする。
「んっ、…ゆ…ゆう、まって」
「やだ」
「んんっ…う…」
今朝酷使して疲労したはずの体が再び熱を持ち始めるのが分かる。
我ながらふしだらな体にかあっと頬が熱くなる。ついでに頭もぼうっとしてきた。
それでもなんとかキスの合間に夕の顔を伺うと、やはり表情は固く、冷たい。
体調が悪いんじゃない。怒ってるんだ。
「ゆ…ゆう、な……んでっ…」
「煩い」
そのまま抱きあげられてベッドの上におろされるのと、着信音が部屋中に鳴り響いたのはほぼ同時のことだった。
この音楽は
その瞬間僕の体は夕によってうつ伏せにされ、尻ポケットから携帯を抜き取られる。
それをラグに放り投げるとようやく夕は自ずから口を開いた。
「朝陽は誰のなの」
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