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「三角形を作らないaの…値?」
「…可哀想やなぁ、作っておいたほうが幸せやろうに」
「そうなの?ここはあえてお互い離れ離れになっていたほうが…」
「あほ。くっついとって作れる幸せはあっても、離れ離れになって作れる幸せはひとつもなぶふぁ」
「……やる気ある?」
放課後。4人がそう広くない僕と夕の部屋に集まったのは勉強会を行うため。
数ⅠAの全過程を早々に終了し、夏からⅡBに取りかかった僕らは中等部の頃の余裕など吹き飛ぶくらいに恐ろしく、難しい問題を解いていた。
…それにしても、男子高校生4人がラグの上にちょこんと乗った円卓の上にそれぞれ文房具を広げて、正座する図はなんだかシュールだ。
「重傷だ…馬鹿すぎる…」
軽く頭を抱えた夕に苦笑を漏らす。確かに、斎藤と赤城は数学に関して相当疎いようだった。
「ってて……それにしてもあの雛森がよお承諾したもんやなぁ、赤城はどんな手つこぉたんや……な、赤城、俺にもちょっと―・・ぶへ」
悪知恵を吸収しようと目を輝かせる斎藤の頭を鷲掴みした夕は、テキストにそれを近づける。
「そんなこと気にしてる暇があるんなら、1つでも公式を覚えたらどうかな?」
イケメンが凄んだ時程怖いものはない。
それは共通の見解のようで、赤城までピンと背をのばして正座してしまう。
「はは、…じゃ、再開しようか。…こうしよう。そのまま夕が斎藤を教えて、僕が赤城に教える。…いいかな?」
「よっしゃ!!おっけ!」
「いやや、助けて、雛森はアカン」
「…何か御不満でも?」
斎藤の断末魔を聞きながら、僕もテキストを広げる。
…それにしても、赤城が言っていた壁紙とは何のことなんだろう。
今度、僕も使ってみようか。
そんなことを考えながら、僕は頭の中で赤城に合った教え方を纏め、構築するために線を引いた。
「100年分勉強した気ぃするわ…」
「2時間だけど?」
「気ぃする言うたやろ!」
「俺が教えたんだから赤点なんかとらないでね?とったら怒るから」
「もう怒っとるがな…伊吹はこんなんとルームメイトでよくやってけるなぁ、…わかっとったことやけど俺には絶対無理やわ…」
「そんな、少し意地悪なだけだよ」
「少しちゃうやろ…」
軽くのびをして、立ち上がる。
2時間ずっと座っていた為か下半身はじんと痺れていて、重たい。
「伊吹〜喉かわいた」
「あっ、そうだ。何も用意してなかったね…ごめん。お茶でも沸かそうか」
「お茶といえば、今日部活の先輩にこんなんもろたで」
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