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「行ってあげたら?まあ…もうすぐ冬休みだけど……あっでも、翌日はテストなのか」
「それは別にいいんだけど。そんなに簡単に、行けば、なんて言われるの…さすがにちょっと寂しいんだけどな」
「そうかな」
「1日中会えないんだよ?俺は寂しい。」
「…夜は、夜は会えるもん」
僕の言葉に夕は目を丸くし、傾げていた首をゆっくりと動かした。
にやりと笑って言う。
「なに?誘ってるの?」
「…!べつにっ…そんな意味じゃ」
言及されてハッと気がつく。
まるで夜伽を期待してるみたいじゃないか、僕。
こんな冬に、汗が全身から吹き出してしまいそうだ。
夕は声を出して笑う。
「分かってるよ、分かってる」
「なにがっ…」
「朝陽は俺のこと、大好きだもんね?」
「…ばかっ…」
「ふふ……あ、」
「…?」
「くつひも」
「え」
跪き、細長い指が僕のキャンバススニーカーの紐をするすると解く。
「少し解けてた」
どこかにひっかけたのだろうか。
きちんと結んであったはずのそれを再び編んだ夕は立ち上がり、髪を掻き上げた。
「あ、ありがと」
「ん。まあ…可愛い奥さんがそこまで言うなら、ちょっと出かけてこようかな?」
「奥さんって…」
夕は携帯をゆらゆらと揺らして微笑む。
僕の携帯にもぶら下がっている、ブルーのそれはなかなか恥ずかしいもので、大っぴらには取り出せないんだけど。
「あ、チャイムだよ。朝陽」
「そろそろ寮に、…ぁ」
足を動かした瞬間生まれた不快感に体が震えた。
そのままへたり込みそうになって、頭を抑える。下着に夕の精液が付着したのだろう。
「?…くつひも?」
「ちがっ、…ぅ」
遅れてやって来た羞恥に顔を赤らめ、立ち尽くした僕の顔をじっとりと見つめた夕は、まるで悪戯が成功した子供のような顔をして言った。
「……あー…残ってた?」
「…朝陽とセックスしてるところ、他人に見られて動揺してたのは案外俺のほうだったのかも」
「………、うそだっ…」
トイレで精液を掻き出した時。
笑いながら必要以上に弄られ、さらに一回いかされた僕は拳を強く握った。
「絶対わざと…っ、」
「違う違う。それに、中に出してって言ったのは朝陽だよね?今すぐ欲しいから、って。」
「〜〜〜っ…!!っ…も、やだ」
「俺のこと、嫌いになった?」
…なったかもしれない。
「さっきのこと、…見られたことだって、いつも被害にあうのは僕なのにっ…!」
「だから、嫌いなった?」
「…っ、ぅ」
いつもの、僕にしか見せない笑みを顔面いっぱいに貼り付けているくせに、こういう時夕の碧眼にはいつも黒い何かが光っていて、僕は結局逆らえない。夕はきちんとそれをわかっていて、やっている。
「…なってな…んぅ」
下唇を食まれてしまったら、もう何も言えない。結局僕が絆されて、夕は満足気に笑って言うのだ。
「じゃあ、好き?」
「ん…」
「よかった。…それに、その件についてはもう大丈夫だから。心配しないで」
「え」
「あー、お腹すいたな。早く寮に戻ろ?お菓子が食べたいな」
「…?ん、うん」
「それに掻き出さなきゃいけないし。…」
…残していたぶんも。
その言葉が耳に届くことはなく。
僕はまた赤面しながらぽかぽかと夕の胸板を叩くのだった。
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