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19※
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落下したピーコートが床に広がる光景を今でも僕は、妙にはっきりと覚えている。
「こらっ…、きたないから…」
夕は床に膝をつき器用に持ち上げた素足に舌を這わせる。
指と指の間を濡らすぬるりとした感触。内臓を掬われるような心地に体温が上昇していくのが分かった。
「ぁ……」
それぞれの指を口に含み、舌を這わせる夕の姿はまるで服従そのもの。
でも、違う。
硬質な爪と柔らかな肉の隙間。それを抉るように尖った舌先で舐めて、突ついて、味わう。ねっとりと根元を締め付けたかと思えばふいに噛みつかれ、跳ねる身体を弄ばれた。
「っ…夕、夕」
もうやめて、と髪を掴んだ僕はきっと、もうすでに夕の術中にはまっていたんだと思う。
それから下衣を脱がされ、足先から反応しきった昂りまでの道程を辿り、されるがまま白濁を放った時にはもう息も絶え絶えで。
「…ぁ、…は…」
震える指先。
満足そうにちろりと赤い舌をのぞかせた夕は僕をベッドへ連れ出した。
堅牢な作りをした二段ベッドがギシリと音を立てる。
シャツだけを辛うじて羽織っているだけという僕の格好に反して、脱ぎ捨てた上着以外の全ての服をピシリと着こなした夕はスラックスを寛げ、十分に猛った自身を取り出す。
「もう我慢できない……ね、朝陽…いれていい?」
きっと今夕を受け入れたら、痛い。けれど我慢できないのは夕だけではなくて。
こくこくと頭をふって応える。
夕はそれを認めて、長方形の箱を手繰り寄せ準備を済ませると柔らかく笑った。
濃厚な空気が揺れる。
人工的な粘液が肌を伝ったその瞬間。圧倒的な圧迫感と大きく張り出した部分に仰け反った僕の膝裏を掬い、肩に担いで折りたたむ。
「ぁあっ…」
「………っ…、あさひ、」
「…ぃ、た…ぁ」
「……っ大丈夫、朝陽のここは俺のをちゃんと覚えてるよ」
「ん…ん」
埋められた熱が奥深くに到達するまでの長い時間の間、夕はそれ以上の言葉を発しなかった。
密着した肌を感じて、目を開ける。汗で張り付いた髪の毛を取り払ってくれる。それに擦り寄った僕に 可愛いね と言いながら腰をゆっくりと揺すり始めた。
「ぁっ…」
「朝陽…」
「ん…っ、ぁん…」
「ゆう…すき」
「あさひ」
「すき…ぁうっ」
性器を引き抜き、身体を反転させられた。背後から落ちかけていた腰を引き寄せられ、再び貫かれる。
ぐちゅりと音を立てて侵入したそれは先程までとは比べ物にならない速度を持って、あくまでも僕を追い詰める。
「ぁっあ、…やっ、ぁ…」
覆いかぶさってぴったりと重なった身体から熱を、荒れた息遣いを感じる。
この体位はいい。快楽に溺れる己をただ只管に肯定できるから。
「あっ、あっぅ…ぁ」
揺さぶられる度にシーツに触れる昂りに焦れて、そっとそれを握った。一人でに溢れ出した蜜を塗り込めるようにぐちゅぐちゅと扱く。
「…ぁ、う…」
後ろから刺激されているというのに、自分を自分で慰める僕に納得がいかなかったらしい。
ふいに肩口に噛みつかれた。
「あっ」
決して柔らかではないその感触に思わず下半身に力が入る。
耳元で息を詰めた夕は怪しい声で囁いた。
「お尻だけじゃ、足りなかったの」
途端にぎゅっと握り締められて、口からあられもない悲鳴がほとばしる。
「ぁん…んぅ」
その合間も律動は止むことを知らない。腰を揺すって、ただ握られただけの夕の手で自慰をしているような格好に僕は涙を零しながら喘いだ。
気持ちいい、けど
「やぁっ…ぁ、…ゆ、…ゆう」
「ん…?」
「も…いじわる、しな、ぃで」
微かに笑う気配を感じた。
急成長した熱を打ち付けられて、唾液が飛ぶ。
「んっ、ぁ、あ」
「好き」
「夕…ゆう、」
「あさひ、好き?」
「ん、すき…すき…あっあぁっ」
握った手を性急に動かされ、びくびくと震える肩を夕の舌は辿る。しだいに触れ合った唇は燃えるように熱かった。
「ぁっいく、いっちゃ…」
「ん、…」
「あ、あ…ぁっあ、…あ・・―――」
薄い膜越しに夕の欲を感じて、ゆっくりと瞼を閉じた。
瞼から降りる熱に抗おうとしなかった僕が目を覚ましたのは、翌朝のことだった。
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