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素直になろう
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「うわぁ!すげぇ!案外温泉も綺麗で広々してるんだー……」
やっぱり見た目で判断するのは間違ってるな、と心の中で宿に謝る。
この時間帯はあまり人が入らないのか、そこには人一人としていない。まるで貸切状態だ。
それにちょっと嬉しくなって俺は湯に手をそーっと突っ込む。
その直前でぺしっ、と頭を軽く叩かれた
「こら。まずは体洗ってからだ」
「う……分かってるし!今しようと思ってたし!」
「はっ、どうだか?」
「はぁ!?」
千隼をキッと睨み付けるが等の本人は涼しい顔でシャワーの所へ向かっている。
「はー早く体洗って湯につかろー……」
俺は千隼を追いかけるように足をシャワーの方へと向けた。
「……おにー…ちゃん……」
その声にピタッと足を止める。
「……い、今いままままま……声、した?」
ごくり、と息を呑む。
聞こえてしまった。千隼かと思ったけど、違う……子供のような声で、お兄ちゃんと。
「……ふふふ、おにーちゃ……ん……」
「ち、ちちちちちちち千隼!!千隼ぁ!!」
慌てて千隼へ駆け寄り、ガシッとしがみつくようにして抱きついた。
「……梓さ、こんな所で襲って欲しいわけ?」
「はっ、はぁ!?何言ってんだよ馬鹿!さっき子供の声……んっ!?」
話してる途中で千隼に口を塞がれる。
濃厚なキス、まるで俺を味わうように角度を変えて何度も唇を重ねてくる。
リップ音と直接触れ合う肌と肌。その感覚に恐怖はゆっくりと、ゆっくりと快楽へ変わっていく。
「っぷはっ……」
千隼が口を離すと銀の糸が引いていて、それを千隼は器用に切ると、今度は唇を舐めてきた。
ハッとしてようやくその状況を理解すると、俺はぶわっと火が出そうなほど顔に熱が集まる。
「なっ、なにしてんだよっ……!!」
「これでもまだ理性保ってやったんだけど。むしろ褒めろ」
「はぁ!!?」
こ、こんな誰が来るか分からない温泉で……あ、あんなキス……っ
思い出しただけでまた、顔が熱くなる。
「梓、俺もう我慢出来ねーんだけど。……すっげーしたい……」
耳元で囁かれる甘い言葉に、のぼせたように頭がクラクラした。
だからこれも、のぼせた俺のよまい言。
「や、優しく、しろよ……千隼……」
夜になるまでもうちょっと。
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