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NO.10
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「な、なんだよ、餌付けって。」
「高校の時もそうだっただろ。」
急に高校時代の話をされて羞恥心に
駆られた藍は顔を赤く染めた。
「それわぁ…」
「懐かしいな、…俺もまだ餓鬼だったからな〜。」
目を細めて笑う顔は、昔より大人になって
いた。
「なー。…航夜は、学校の王子様だった
よね。」
藍はふっと、女子に囲まれている航夜を思い出した。
「うるせー。あの時は、藍を守りたくて
足掻いてたから、その辺は覚えてない。」
「かわいい、その顔最近してなかった。」
好流が生まれて二人で話す事が減った今
高校生の時見ていた顔が見れなくなって
いた事を寂しく思った藍だった。
「俺を可愛いって言うのは、藍しか居ないよ。」
「俺を可愛いって言うのは、航夜しか居ないよ。」
同じ事を言ってやった藍は、ドヤッとしていた。
「馬鹿。」
「はあ?なんでそうゆうことゆーんだよ!」
機嫌がよかったのに“馬鹿”の一言で一気に
不機嫌になった。
「ごめん。」
返事はしない。きっと最初から怒って居ないことを知っていたと思うから。
藍side
こうやって俺と好流を抱っこしている航夜は、どれだけのものを背負っているのだろうか?
高校生の時も知らないうちに、守られていた。俺も守りたいと言った時の航夜は、多分今まで見てきたなかで一番カッコ良かった。
こんなにかっこいい男を独り占めしていいものなのか、と思うたび馬鹿な俺を甘やかしてくれる。いつでも航夜は俺を見てくれていた。
だったら俺も喜ぶ航夜を見たくて、赤ちゃん
を産むと言ったんだ。長かったようで短かった日々は、苦しくても大丈夫だったんだ。
喧嘩した日は今でも忘れられない、
怖くて、寂しくて、苦しかった。
仲直りした日は、嬉しくて、安心して、あったかかった。
俺の世界が色付いたのは、航夜が現れてから
だ。
俺の世界は、君が中心で回って居る。
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