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スラダン*.仙花
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仙道視点
「桜木」
そう、お前の名を呼ぶ。
何時ものように。何気なく、普通に。
するとお前は振り向くんだ。
たまに怪訝そうな顔をして、けど大概少し照れた顔をして。
「なんだよ仙道」
…あらら。今日は機嫌が悪いみてぇだ。
思い切っきり俺のこと睨んでる。眉を寄せて、口をひん曲げて、声のトーンを落として
俺に怒ってる。
「用がねぇなら呼ぶんじゃねぇ」
「…桜木」
「あんだよっ」
馬鹿だな、俺って。
もう末期だよな?俺ってさ。
だって桜木のどんな表情も態度も
全部全部…全てが愛おしく思えて仕方がねぇんだ。病気かなんか、かもしれない。
「好きだ」
俺が一言そう言うと
桜木はハッと驚いた顔をして、目をそらした。
…目をそらしたのは、
俺の目からじゃないでしょ?
桜木が目をそらしたのは、俺の、気持ちから、だよね。
わかってるよ。いや、もうずっと前からわかってたんだけど。
それでも俺はわからないふりをしてたんだ。
理由?
そんなの簡単だ。傷つきたくないから。
みんなだってそうだろ?
好きな人に振られるの嫌だろ?傷つきたくない。
いや別に、理屈をこねてるわけじゃないけどさ。
でも、もう抑えられない。
何がって…この、気持ち。
桜木のこと好きなんだ。いや、もうここまできたら愛になるのかもしれないなぁ。
「ば、かじゃねーの」
「ははは、バカかもね」
「てめぇの冗談は笑えねーんだよ」
ねぇ桜木、俺の目を見て。
ねぇ、桜木。俺の気持ちから目をそらさないで。
お願いだからさ、ねぇ…
「本気だぜ、俺は」
ああ、俺今どんな顔してる?
情けねぇ顔してるんだろうなぁ。恥ずかしいや。はは。
なあ、桜木…こっち向いてくれよ。
「…っ」
なあ、ほんとうは
俺のことどう思ってるんだ?
陵南のエース?釣り好きなヤツ?いつも遅刻してくるヤツ?ライバル?
…どう、思ってるんだよ。桜木。
あ…ぁ、そんな顔 しないでくれよ。
やめてくれよ。
ずっとそらし続けていたいんだろ?
俺の気持ちから。それなら、そんな耳まで赤くしないで。
可愛いって思ってしまう。
抱きしめたいって思ってしまう。
キスしたいって思ってしまう。
止められなくなってしまうから。
「桜木…」
「ちっ、近づくんじゃねぇ!向こう行け!!」
「やだ」
ズンズンと桜木に歩み寄る俺。それを警戒するように後ずさりをする桜木。
…あ。
ードンッ、
「っ!?」
あらら。
なかなかいいシチュエーションで。
神様ありがとう。
「壁ドン…ってやつ?」
「バカヤロウ!」
「……馬鹿だよ。馬鹿でいいもん。」
「…はぁ?、」
「俺は馬鹿だけど、おまえは素直じゃないよね。」
「なっ…!?」
真面目な顔して言い放ってやった。
だって、ちょっぴりむかついたんだ。
好きだろ。
なぁ、俺のこと好きだろ?桜木花道。
わかりやすいお前だから。
俺はニブチンだとかよく言われるけど桜木のことは誰よりもわかる。
素直になれ。
「お前は俺のことが好きだよ」
「…いっ、意味わかんねぇよ!!」
ぎゅっ…と抱きしめてやると
桜木の頬が俺の頬に当たった。…熱い。この熱さは俺の頬?…それとも桜木?
…どっちでもいいや。きっとどっちも顔真っ赤だもん。
「愛してる」
ビクッ。と、桜木は震えた。
耳元で囁いた、俺の本音。
言葉が出ないっぽい。…たぶん、口をぱくぱく金魚みたいにしてるんじゃねーかな。
…あーあ、しかたないなぁ。
「待ってるから。桜木。」
とことん甘いから…俺も。
「お前が素直になってくれるの、」
でも、
その時、がきたらー…
「ずっと待ってる。」
狂うくらいに甘く愛してあげるつもりだよ。
毎日。毎日。
…当然だろ?
だって俺をこんなにも焦らして、またせるんだから。
ね。
Fin♡
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