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真意
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レトルト
アブ「おかえり〜遅かったねぇ、どしたの〜?笑」
レト「いやぁ、ちょっと…笑」
目の前のコンビニが見つからずに時間がかかってしまったとは言えずに、目をそらす。
視線の先に映るテーブルの上に散乱している空き缶の山を見て驚愕した。
アブ「レトやんが遅いからストックまで開けちゃったよぉ〜笑」
そんな長く外出した覚えは無いが…、ともかく申し訳程度に残っている飲み物と、買ってきたものを冷蔵庫へしまった。
アブ「レトやんこっちこっち〜笑」
ボスボスとソファの空いてるスペースを叩きながら呼びかけられる。
珍しく酔ってるらしいその姿は貴重だった。
目に焼き付けといて損は無いだろう。そう思いながらソファの隣に腰掛ける。
座ると同時に腕が伸びてきて肩を組まれる。ぐっと力が込められ体がぴったりと横に着く。
レト「アブさんちょっと飲みすぎじゃ…笑」
アブ「レトやん」
急にワントーン下がった声で話しかけられ、びっくりする。
レト「…なんでしょう」
緊張しない様にしているが、早く続きを言って欲しい。
このまま沈黙だと、変な汗をかきそうだった。
アブ「…レトやんさ、俺のこと好き?」
沈黙でなくても変な汗が出た。
ドクドクと鼓動がうるさい。
なんなんだ…今更。
好きでなければ会いに来たりしない。
こんなに待ちわびたセリフは無かったはずだ。
今なら、正直になれる気がする。
前々から言いたくても言えなかった。
別に、人として好きとかそう言う意味でもあるのだ。
茶化されたらそう答えればいいと思い見上げると、
真摯な面持ちで返答を待たれていた。
こんな顔も出来るのかと思うぐらい真面目な顔をしていた。
だが、心なしか表情が沈んでいる様にもとれて…。
あぁ、俺が答えないからやと気がつき真っ直ぐに答える。
レト「…、好きで……ッん」
答え終わる前に唇を塞がれる。
目の前にアブさんが迫ってきて、とっさに目を閉じてしまった。
だがすぐに離れてしまう。
そっと目を開けると、ニヤニヤと笑うその表情が目に入る。
瞬間、カァッと顔が赤くなってしまう。
そんな楽しそうな顔をされても…これが本心なのだから仕方が無い。
アブ「…もう一回」
レト「ッ好きです、アブさんが…」
一度言ってしまえば何度言っても同じだと、今度こそはっきりと口にする。
言葉を舐めとる様に、再度口を塞がれる。
重なるだけのキスから、次第に唾液を絡ませるものになってくる。
チュ…ッピチュ…
レト「…んっ…ッ、…ッぁ、チュ…ッんっ」
強引に絡ませられる舌に、必死について行こうとする。
レト「…ッん、…ッチュ、ぁ、…すき…ッんっ…すきっ…んんッ」
うわ言の様に、何度も、何度も。
熱を持って伝える。
たったこれだけのキスに溺れてしまうほど、あなたが好きだと。
なんだかあたまがぼーっとしてきた。
熱に浮かされた様にアブさんの声が重複して響いてくる。
アブ「…ッ…、何されても…?」
言葉を上手く理解出来ずに、舌を絡ませながら伝える。
ただ、あなたが好きですと…。
視界が大きくブレて身体が倒れる。
誰の意志でもなく倒れたその身体を抱きとめられる。
同時に、視界が狭まり急激な睡魔に襲われていることに気付く。
暗転して、意識が飛んだ。
最後に見えたのは、硬く目を閉じてゆっくりと動く口元だった。
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