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禁断【榊跡】
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タブーだとわかっていた
分かっていたからこそ引き戻りたくなかった
戻ったらこの関係が終わると知っていたから
だから戻れなかったのだ
けれど運命というものは残酷で
いつの間にか関係も終焉を迎えるのだ
跡部は泣きたい気持ちを抑えた
けれど跡部は泣かなかった
最後まで泣くという行為をしなかった
『ありがとう愛しい人。さよなら、幸せになってください』
そして、関係は終わり数年という長い時が経った
いつものようにスーツを身に纏った跡部の前にある人間が現れた
『あのときはすまなかったな。迎えに来てやった』
懐かしい声
大好きだった声だ
『…監督ッ』
人目も気にせずに跡部は榊に抱きついた
少しだけ幸せな時間だった
―――愛しい人は何年経っても愛しいままだ
跡部は頬を染めその腕の中で幸せそうに眠っていた
榊はその光景をいつものように…あの懐かしい中学生の跡部を見ていた頃と同じような目で見ていた
それは何年経っても変わらない愛情
優しい気持ちになれる瞬間だった
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