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脇役系男子
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「蛍夜!ついに俺、両思いになったんだよ!」
朝、教室に入るなり、友人Aの椿が俺に抱きついて来た。
「おう、そうかそうか…良かったな。」
抱きつく椿の頭を優しく撫でると、椿は嬉しそうに微笑んだ。
「うん!これもいつも相談に乗ってくれた蛍夜のお陰だよ!…あ!瑞希!!」
椿は瑞希を見かけるなり、今度は瑞希に突進し、抱きついた。瑞希は朝練の後だというのに疲れている様子を見せず、突進してくる瑞希を優しく抱きとめた。
椿は蜂蜜色のふんわりヘアーの可愛い系男子で、瑞希はテニス部のため日に焼けているが爽やかイケメンである。
そう、この2人はつい昨日付き合い始めたばかりである。
椿と瑞希は俺の友達であり、ずっと2人から恋愛相談をされていた。もちろん、別々で。両思いなんだから告っちまえば良いのになーと何度思ったことか。ま、それも昨日でおしまい。
にしても、2人ともお似合いだなー。男同士だけど。
そんなほのぼのとした様子をほのぼのと見つめている俺は脇役である。
そう、椿と瑞希の2人が主役で俺はその脇役。
よく恋愛漫画なんかで出てくる主人公の友人役、といったところか。まぁ、主人公よりも目立ちはしないが、なかなか好きなポジションである。
だから俺が目立つような話はいらない。
そもそも、今後もないだろう。何歳たっても脇役で良い。
そう思っていたんだ。
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