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麗葉の紹介 <Side 瑠樹
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外見は、研究施設のようだった。
たくさんの外灯が照らし出し、真夜中だと言うのに、あまり暗さは感じさせない。
守衛らしき人物が、じろりと俺たちを一睨みする。
麗葉(れいは)は、なんの変哲もないカードらしきものを胸元から少し覗かせ、守衛にアピールした。
それを確認した守衛は、小さくお辞儀をすると、小さなプレハブを指し示す。
それは、人1人が立っていられるくらいの本当に小さな小屋だった。
小屋には、胸元辺りに小さな窓が設置されており、麗葉はそこへ、守衛に見せたであろう名刺サイズのカードを差し出した。
「ご紹介ですね」
聞こえてきたのは、音声ガイダンスのような無機質な機械が発する声。
「そうだよ」
カタカタっとタイピングの音が響き、タンッとEnterキーが押されたであろう音が響くと、再び無機質な機械の声が、質問を繋げた。
「麗葉様。お連れ様は瑠樹(るき)様でお間違えありませんか? 身分証をご提示ください」
「あぁ」
麗葉は、俺に身分証を求めるように手を差し出した。
俺は、俺の情報が詰まった身分証である灰色のカードを麗葉へと渡した。
麗葉は、それを窓口に差し出す。
差し出されたカードの上を小さなスキャニングマシンが通り過ぎる。
「確認致しました」
身分証が俺の元へと返される。
「瑠樹様。以後、こちらへの出入りは、こちらのカードと網膜スキャン及び静脈認証により管理させていただきます。あちらの入口よりお入りください」
中の人物から、すっと黒いカードと1枚の紙切れが差し出された。
麗葉は、それを受け取り、俺に渡す。
紙には、この施設の利用ルールと簡単な案内図が描かれていた。
案内図には、現在地と書かれた場所から、このボックスの裏手へと矢印が描かれている。
麗葉は慣れた様子で、スタスタと先を歩く。
指定された場所には、鉄の扉。
麗葉は扉の横に設置されている機械に、窓口に提示した黒いカードを挿し込んだ。
ピピッと機械音を発した扉。
麗葉は、カードを抜き取り、俺に開けるようにと促す。
ドアノブに手をかけ押すと、扉が重く開く。
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