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ヒーロー計画48
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そして、やかましい選挙演説のように声を張る。広間に彼の声が響きわたり、視線が彼に集まった。
「レッドたちが来たのは、俺たちをホームパーティーに招待してくれるためなのだそうだよ。そういえば、昨日君たちエプロン来ていたのはそのためだったのかな? もちろんご相伴にあずかりたいと思うのだが――」
それから国仲、九重、季、千里の順に目を向け、
「みんなも心待ちにしているようだし、早速出発しようではないか」
4人に何の許可を取ることもなく大きく頷くと先陣を切って出ていく。
「……おい、あの案内人。勝手に決めて出て行ったけどいいのか?」
「仕方ないよ。どうせ何を言ったって聞いてないんだから」
怪訝な顔をした匡が季に聞き、
「それに、匡にぃが作ったご飯食べてみたいしね」
季は首を竦めて諦めたように笑った。
大樹の別荘へ戻ると、何やら小声でこそこそと話している声が聞こえる。大樹は、気にした様子もなく前を歩くが、耳だけは彼らに傾いていた。
「そいういや、なんで季の兄ちゃんと水渓さんが一緒におるん?」
「あれな、ヤスって前から思ってたけど、いつも何テンポか遅いよな。でも、俺も気になってた。木織先輩何か知らないんすか? 初めに見たときはかなり険悪そうだったけど、結婚式まで付いてきてたし」
「んー、元々彼の悪役顔に目を付けたレッドがショーの悪役として連れて来たのは知っているけれど、それ以外は分からないな。気が付いたらいつもレッドの隣にいたからね……というか、レッドまで彼らの結婚式に行ってたのかいっ?」
「あ、ヤベっ」
千里はばつが悪そうに口を閉じた。言ってはいけないことを言ってしまったらしい。そんなことよりも、大樹は食堂のドアに手を置いて立ち止まる。
あの料理とも呼べない未確認物体をどのように紹介したらいいものか。背後では不思議そうな顔を向けた木織たちがいる。匡も不機嫌に戻ってしまっている。助言はもらえそうにない。
「まあ、どうにでもなるか」
大樹はドアを開け広げた。
「……あら、これは。もしかして私たち残飯処理のために呼ばれたのかしら?」
一行は、テーブルに並ぶ珍妙な料理の数々に釘付けになることになる。
「レッド、君っ。なぜ俺に内緒で季君たちの結婚式に行ったんだい。俺も連れてってくれてもよかったじゃないかっ」
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