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三つ子2
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教室に着くと、さっきまで座っていた席に戻る。
周りの席には、他の人が座っているけど僕が座っていたところは、荷物をおいていたおかげで空いていた。
僕が席に着くと周りにいた人達が一斉に僕をみる。
ニヤニヤと笑いながら、僕を見てコソコソと喋っている。
嫌な目だ。
うつむいてその目を見ないようにしていると、
「ねーねー、その席代わってー!」
上を見ると、透輝君と虹輝君と優輝君が荷物を持って立っている。
そう言ったのは、多分虹輝君だと思う。
「いーけど別に。
お前らこんな奴の周りがいいわけw?」
言ったあと、そいつはフッと鼻で笑った。
そうすると、透輝君が
「そーだよ、この子の周りがいいの。
分かったら早く退いてくれる?すっごい邪魔」
と言った。
それに続くように、優輝君が
「透輝、そう言うなって、邪魔なのは分かるけど。
まー、そーゆー訳だから、退いてくれる?
琥波瑠かわいーから周りに居たいのは分かるけど、お願い、ね?」
「は?ふざけんな?ちげーし!調子狂う!行こーぜ?」
ガタンッ、とその人達は違う席へ移って行った。
「ありがとう、3人とも」
「「「いーのいーの、友達でしょ?」」」
そう言って3人は僕の周りの席に着く。
「俺前でも黒板見える?」
僕の前に座った虹輝君がそう言った。
僕より、背が高いから、気にしてくれたんだろう。
「うん!見えるよ」
「ならいいな」
虹輝君に続き、優輝君は
「もうすぐ先生入って来そうだよねーどんな先生かなー?」
そう言って僕をみる。透輝君は
「楽しい人だといいねー」
と、僕に笑顔で言った。
久々に向けられた。嫌じゃない目。
もう名前も顔も忘れてしまったけど、昔出会った事がある、僕を嫌な目で見ない人達。
3人の目はあの人達のように優しかった。
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