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避けてきた記憶
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忘れたくて、忘れたくて、無理矢理忘れようとした。
でも、やっぱり忘れることはできなくて。
その記憶を避けて、忘れたつもりになっていた。
僕の色は、もちろんだけど今も昔も変わらない。
だからきっと、生まれてすぐ捨てられた。
公園に。
僕は施設に引き取られた。
施設では、見た目からみんなに距離をおかれていた。
だから、いつも一人だった。
だけど、7歳の時のあることをきっかけにそれは変わった。
僕を引き取りたいと言う人が現れたのだ。
最初に聞いた時は、たちの悪い冗談だと思った。
でもそれは嘘ではなくて、数日後その人たちは会いにきた。
仲の良さそうな家族だった。
二人の子供をまん中にして手を繋いで施設にきた。
それは、生まれたときから家族がいない僕には羨ましい光景だった。
まん中の子供たちが玄関に立つ僕を見るなり走ってよってきた。
子1「わー!カワイイ!」
子2「本当だ!スゴくカワイイ!」
僕を見る目が他の人と違った。
キラキラとした目で近づくなりそう言って頭を撫でる。
女性「ほら、二人ともまずやることがあるでしょう?」
子1「あ!そうだった!
俺は、白夜って言うんだ!」
子2「俺は、極夜って言うんだ!」
女性「初めまして、琥波瑠君。
落ち着きがなくてごめんなさいね?
昨日からずっとこんな感じで、楽しみにしてたのよ」
男性「初めまして、龍崎です。
話は聞いてるかな?まあ、よろしくね?」
後から来た夫婦は、優しい目で僕を見るが、
どこか可哀想なものを見ているようだった。
仕方がないのだが、
琥 「琥波瑠です!お願いします!」
子1「声もカワイイね!」
子2「何歳なの?」
琥 「えっと、7歳です...」
子1「じゃあ俺達のいっこ下だ」
子2「俺達の弟だね」
琥 「おとうと .....?」
子1「おう!」
子2「弟だ!」
女性「あらあら、気が早いわねぇ。
でも、私もそのつもりだけど」
この人達の家族になれるの?
僕が入っていいのかな?
でも、スゴくうれしいな。
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