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目覚め
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「―?」
「起きたか」
「!」
ソファから身を起こし、不思議そうに部屋を見渡すので声をかけるのが少し遅れた。包帯を巻かれて動きにくかったのかかけてやった毛布を捲るなり顔を真っ赤にしてくれた。まぁ、包帯巻いたのは氷雨だし、当の本人はさっさと帰ったがな。
「起きた?!」
「うるせぇ」
「彗おはよ!早速だけど着替えようね~」
旭のTシャツと短パンを着せて改めてみると細い。そんで小さい。旭のシャツが膝まで届いていた。半袖だったからよかったが、長袖だと確実に袖から腕が出ない。
「おっきかった?」
襟ぐりからは包帯と鎖骨が覗いている。包帯は痛々しいが、鎖骨は何とも言えぬ色気を漂わせていた。
「[僕をばらばらにするんですか]…って彗、何処の任侠ドラマ?」
「?」
「少なくともバラバラにはしないよ。あいつ等の借金のカタとは言え、彗は何も悪くないんだから」
「まぁ、あのガラクタを売り払って売れそうなモン全部売ったとして…半分は行かないと思うがな」
解りやすく凹む彗に、旭は何か面白いものでも見つけたかのように彗を抱き上げた。
「彗には関係無いからさ、そんなに凹まないで?」
「そうだぞ」
そう声をかけたが、凹んだままだったの2人で困り果てていると、彗の腹が小さく鳴った。
「飯にするか。彗、何が食いたい?」
「[ごはん]…彗、好きなもの言っていいから」
どんな生活をしたらそんな答えが返ってくるんだ。
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