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ノートの落書き、本音でも綴ってみる2
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片平はヒラリと手を振り、永海を見送った。放課後、貸したノートが原因で彼にニヤつかれるとは知らずに。
「何だよ、その顔」
「いや、何でも。それよりノート、コピーさせて貰ったから」
「コピー?テスト近くもねえのに──変な奴」
手渡されたノートの表紙をまじまじと見つめ、片平はそれを開いてカッと赤面した。
「片平ってば可愛いのな!最高だよお前」
「う、うー……」
片平の消し忘れた落書きの隣に、几帳面な字で落書きがされていた。
『下の名前は証。あかし、な。メロンパンの美味さ、教えてくれてありがとう。買い占めた俺はアホじゃない。俺をアホにさせた片平が悪い』
『もしかして女の子達に妬いた?安心しろよ、俺はあの時お前に笑いかけたんだ。俺が好きなのは、片平だけだから』
「……恥っずかしいんだよ」
「悪いな」
「やっぱりお前はアホだ、永海」
「せっかく下の名前教えたんだから、そっちで呼べよ。遼太」
「なん、何で俺の下の名前知ってんだよ!」
「惚れてるから」
「アホ、アホ、アホ証!恥ずかしいんだよお前」
「あれ、今……」
「それより、俺のノートに勝手に落書きしたんだからな。弁償しろよ」
「解った。どんなノートが良い?」
「──駅前の本屋で売ってるやつ」
「じゃあ日曜日に駅前で待ち合わせな」
「ああ。ちゃんと奢れよ」
「はいはい」
永海、もとい証に丸め込まれている気がしないでも無いが、片平の表情はどことなく嬉しそうだった。
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