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寮
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当然のように部屋までついてくるのかと思った櫻井は、寮の一階で素直に辞去した。
「自分で抜けなかったら、電話してください。」
そう言って、右掌に書かれた11ケタ。
「これ、油性だろ。」
その掌を見ながら、誰に聞かれるでもなく小さな声で呟く。
大きさも形もまちまちで、自由な文字。
―——意地でも掛けないけどな。
寮といっても、食堂も、大浴場も娯楽室も共用だ。
この状態で生徒のメリットって何かあるように思えない。常に教師の目を気にしなきゃいけない。それはデメリットでしかないだろう。
そんな風に、初めは思っていたのだけれど。
「学生部屋も、教員部屋も、部屋の広さ、同じなんだよな……」
必要以上にだだっ広い自分の部屋で、朔良は何となく心もとない気持ちになる。
1年は2人部屋らしいが、2年3年はこれに1人で住むわけだ。
もともと、四人兄弟の長男ですから。自分の部屋なんて与えられたことないですから。
橘のような通学組もいるが、この部屋の広さを考えたら寮生活も悪くないのかもしれない。
不必要に部屋の中を見回して何者かの目がないか確認する。
その間も、胎内に埋められたローターは小さな振動を続けていて、腰をかがめた情けない体勢になってしまう。
誰もいないことを確認して、できるだけ体に余計な力が入らないように、ベッドの上に上った。
「んぅっ!」
気を付けたはずなのに、座った衝撃で胎内のローターが角度を変える。
奥歯に力を入れて堪える。
自分の尻に接する部分をできるだけやわらかいものにするために、クッションを敷いた。
下着に手を掛けたところで、
コンコンコン。
硬質なノック音が必要以上に大きく響いた。
「んっ!~~~~~~~!!!!」
その不測の事態にきゅっと締った腸壁がローターを締め付ける。締め付けられたローターが前立腺のしこりをぐりゅぐりゅと抉る。それが堪らない快感を生む。
全身を仰け反らせ、目を見開いたまま、朔良は絶頂する。背中が弓なりに反り、大きく開いた口から涎が溢れる。
悦楽の声が喉に張り付いて固まったままだったのは不幸中の幸い。
「はっ、はっ、は……」
信じられない。
もともと感じやすいし、早漏体質なのも自分でわかってる。
それでも、こんなのはおかしい。
ベッドの上で脱力していても、体の中の機械はその刺激をやめてくれない。
コンコンコン。
再び、控えめとは決して言えないノックに恨めしく扉を睨んだ。
こんな状態で外になんて出られるはずがない。
もう今夜は夕食も摂らずに寝たことにして居留守を決め込んでしまおう。
じっと息をひそめて外の気配が立ち去るのを待つ。
コンコンコン・コンコンコン・コンコンコンコン、コンコンコン……
―——三・三・七拍子かよ!!この学校そこそこ偏差値の高い進学校且つ金持ち学校のくせに割と庶民臭いの混じってんな、オイ!
そう思ったらもう、腹ん中でブーブーいってる機械も気になるけどこの偏差値低そうな来訪者の顔も気になる。そう思うとその好奇心に負ける。
部屋の中からちょっと様子を窺えばいい。
手短に済ませれば大丈夫だろう。
華村朔良、案外チャレンジャー。
「3年の松田啓太です、ハナちゃん先生いらっしゃいますか?」
相手を敬っているのか敬っていないのかわからないその呼称以上に来客者の名前が朔良の耳をそば立たせた。
―——啓太先輩!!
小松崎を(朔良の脳内で犯して)赤面(脳内では顔面崩壊まで)させるという荒業をなした当の本人が今、扉の前にいる。
一気にテンションがあがる。
異物が腸内を犯しているとかちょっと置いといてもいいくらいテンションあがってしまった。
「今、開ける」
そしてそのテンションのまま、とっさに返事をしていた。
もうこれで出ないわけにはいかなくなった。
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