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五時限目2
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返答に窮する質問だと思いながら、笑みを深める。
「俺に解決できそうなことならどうぞ」
そうとしか答えられない。
変な拒否の仕方をすればほかの生徒が質問に来にくくなるし、なんでも安請負したら無理難題を櫻井に吹っかけられそうだ。
『自分で息んで出してみてよ』
熱い吐息交じりに囁かれた言葉が脳内に響く。
う、わ。
意識せず顔が上気する。
ヤバい。
「と、りあえず、復習にテキストの5ページやるぞ」
言いながらページ数を板書する。
授業中だけは、と意識した敬語が剥がれる。
机間指導するふりで窓の外に顔をやった。
耳の奥でキンと耳鳴りがする。
思い出すな。
言い聞かせながら、生徒の机の間を行ったり来たりする。
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