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酒と性癖と男と男2
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自分の首筋に手を当ててさりげなく顔を隠す。
微かに頬が熱いのが自分でもわかっていた。
おかしいだろ。
『朔良』
脳内に高い声が響く。
こんなに甘い感触で、あいつがささやいた覚えなんてない。
今更、反故にした約束が、胸をつかえさせる。
「朔良?」
「え、あ?」
再び見上げると、冴島が笑う。
「やっぱり華村にしておく?」
「い、や、そうじゃなくて」
さりげなく自分の首を揉みながら、唇を尖らせた。
あいつの声は、もっと硬い。
まっすぐ突き刺すような硬さで迫ってくる声と、目だ。
思い出したら無意識に足が寮に向いてしまいそうで、頭を振った。
「伊織って呼ぶのはちょっと気が引けるなと思いまして」
作った笑いがうまく笑えていたかどうか心配だった。
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