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大人のお付き合い5
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気持ちよく呑んだ割に、以降特に冴島から何かされるわけでもなかった。
まるであの『告白』自体がなかったかのようにくだらない、他愛もない会話をして、寮に着こうという頃には日付を跨ごうとしていた。
「寮監の先生に鍵開けて貰わないといけませんね」
五月の、まだ冷たさを残した夜風が頬に心地よく吹く。
高揚した頬で朔良が言うと、冴島はその腰元を抱き寄せ、耳に唇を寄せる。
「もう借りてあります」
容易く言ってのけるが、持ち出し禁止だったはずだ。
やっぱり、好青年然とした姿は世を忍ぶ仮の姿で本当の姿は悪い大人に違いない。
硬い音で鍵が開くと、小さくキィと入り口の扉が鳴いた。
教員の部屋は二年の部屋を挟んで配置されている。
朔良は東館に、冴島は西館に部屋がある。
下足からうち履きに履き替え、挨拶をしようと冴島を見た。
「じゃぁ、また」
月曜に、と言いかけて、抱き寄せられた。
耳に、冴島の息が触れる。
「さっきの話、考えておいてよ」
深夜とはいえ、学校の敷地内で、生徒も暮らす寮内で誰かの視線があったらと、瞬時にの胸を押し返す。
思ったよりずっと簡単にその長身が退いた。
「たぶん体の相性は悪くないと思うよ」
ふにと頬を抓られる。
たらしだ。
魔性のゲイとかそういうたぐいの人種なんだろう。
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