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日曜日の収賄。11
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三つ子が一斉に「あー。」と同意の声を上げる。
「大体相手の意思を尊重?する感じなんですけどね。」
「本能的に譲れないものとかがあると頑として譲らないんだよなー」
「それの基準がよく判らないんだけど、大体『アタ』るんだよな」
本能的に譲れないってどういうことだ。
直感で譲れないのか。
「どういうことだ?」
そのまま疑問を口にすると、優太が朔良に向き直る。
「たとえば、あいつもともとミニバスやってて、全日本いくくらいのチームだったんだけど」
「兄貴もバスケやってたし、そのまま続けるのかと思ったら」
「小5でいきなり、陸上やるって」
あと一年だし、チームの主軸だし、次期キャプテンだしで監督も両親も本気で留めたらしい。
それに対し櫻井は一週間野宿をして対抗。
しかも、きちんと定時で連絡を入れるものだから警察も公開捜査には踏み出せない。
更にその定時連絡がアシのつきにくいプリペイド携帯だから警察もなかなか捕まえられない。
「なんて奴だ」
そんな賢しい小学生いやだ。
怖い。
「でも、その結果櫻井は陸上の全中制覇したからな」
有言実行の最たるものか、自分が何に向いているか見る才に長けていたかということだろう。
それくらいなら、監督と親が気が付かなかった才に自分が気が付いただけのことだ。
「いつもと違う道行きたがると思ったら、巨額の入った財布拾ったとかあったな。」
「一番でかかったのあれじゃね?乗りたがらなかったバスが崖から転落」
「いや、あいつのわがままでキャンセルした飛行機が墜落だろ」
なんだそれ。
もはやそれ都市伝説だろ。
「悪い、煙草吸ってきていいか」
衝動に耐えかねて言うと、三つ子が不思議そうな顔をする。
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