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甘いもの
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朔良の部屋でつい夕食の時間までだべってしまっていた。
教員部屋にまで夕食を知らせる放送が流れることに啓太は初めて気が付いた。
そういえば、先生の部屋なんて、あんまり入ったことがなかった。
それが、今年はもう二回目だ。
「ハナちゃん、ハナちゃんに買ってきたんだけど、ケーキひとつ、もらっていいかな?」
使ったカップを洗いながら朔良に問うた。
翔太と優太は配膳当番にあたっていたから放送の瞬間に全力で走っていった。
片付け位していけとも思ったけど、『生徒会』が遅れたら示しがつかない。
「ん―――……いいよ、俺はもう満足。」
やんわりと笑われて見透かされているなと感じる。
その笑い方が、壮絶な色香を帯びて見えて、啓太は自分の心音が早まるのを感じる。
この教師は、時々こういう色香を発する。
見てはいけないものを見てしまったような心地になってしまう。
「小松崎に?」
ゆったりと笑う様を見ると、櫻井が朔良に魅了された理由がわかる気がした。
口元の黒子がまた煽情的で目のやり場に困る。
「……あいつ、ここのケーキ好きだから」
へぇ。
と、軽く言って、残っていたケーキを全部、綺麗に箱に包みなおしてくれる。
「いいよ、好きなだけ食わせてやれよ。」
その笑みにぞわぞわと総毛立ち、自分でも意識せずに赤面しているのがわかった。
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