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混乱の月曜日6
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煙草を咥えてピコピコと上下に動かしながら冴島は喫煙室の扉を開く。
子どもっぽいことをするなと思いながら、部屋に入ると同時に煙草を咥え、自分が同じようにピコピコと煙草を上下に動かしていることに気が付いて、一度唇から煙草を外した。
「親睦行事って」
「今年は校内で肝試しとかするらしいよ」
なんだそれ。
説明もなくぶっ飛んだ発言に手もとのプリントを見た。
一、二年合同宿泊行事。
縦の繋がりの強化をすることが目的の行事、学校内で宿泊。
土日を利用して行い、昼は敷地内でバーベキュー、午後からは生徒会と二年主導でレクリエーション、キャンプファイア。
夜は二年の寮生は寮に、二年自宅通学者と一年は体育館に宿泊するらしい。
――――壮大。
ひと学年130人前後、ふた学年で260人ほど。プラス三年生徒会執行部。200人以上の人数で動く。
生徒一人ひとりの規律意識と協調性がなければ無理な行事だ。
「これって、ちゃんと成立するんですか?」
「一番近々の行事だと全校生徒で鬼ごっこやってたよ」
ぷかぁと煙を吐きながら冴島が嫌そうな顔をする。
「さえ、」
「伊織」
いいかけた名前を訂正されて朔良は目を見張る。
「何かそっちのが落ち着くんだよ。朔良に呼ばれるなら」
なんてことないように言われるとそんなものかと得心してしまう。
「伊織、先生は行事が嫌いですか」
問えば冴島はにたりと特有の悪い笑みで朔良をみた。
「大好きだよ、仕掛ける側であれば」
その目のなかにいたずらっ子特有の光を見て敵には回すべきじゃないと思った。
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