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沈黙の月曜日3
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それぞれの部員が、第一顧問に報告をした後で、それぞれの種目の練習場所に散らばっていく。
こちらに駆けてくる櫻井はちらと朔良を伺って、会釈をした。
まるで、普通の部員のように。
実際、ただの部員であることには違いないのだが。
「委員会活動で遅くなりました。」
視線をそらして、櫻井が言う。
―――視線合わない系男子に戻ったのか。
未明の告白以降、土日を挟んでさらに今日が半日接点がなかっただけで、こんな風に全く何もなかったようになるものなのか。
「お、おう。そうか」
妙な動揺に喉から声を押し出す。
その目が、ふと、朔良を見た。
鳶色の眸が、挑むように朔良の眼鏡越しの眸をじっと見つめてくる。
まともにかち合って、体に、電流が走った。
―――なんだ、これ。
ぞわぞわと、どくどくといろんな音が自分の体の中でしてくる。
左手で、右肘を抱き、自分を隠すように体を縮めた。
櫻井の大きな手が、長い指が、ジャージの襟に触れる。
「……歯型、残ってますね」
聞こえるか聞こえないかの声で呟く。
指先が、その形を撫で、首筋から股間に電流が走る。
「虫、ついてました。とれたと思うけど、鏡で確認してきて下さい。」
その目は静かに凪いでいるのに、眸の中の熱は滾っている。
それが、自分を焼き尽くそうとしているようだった。
「俺、橘先輩に中継練、続けるよう先生が言ってたこと、伝えときますから。」
言って、櫻井は踵を返す。
瞬間、熱い息が唇から洩れた。
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