アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
。
-
ふ、と目が覚めて視界に入ったのは見慣れた自分の部屋の天井だった
「夢…?」
寝起きだからか掠れた声しか喉から出なかったが自分の耳に届くには十分であった
先ほど見たあの光景は質の悪い自分の夢の中での出来事だったのだろうか?そうだとしたら嬉しいような…いや、少し悔しい気もする。夢でなかったら俺は生きていてあの人たちは多分死んでいるのだ
つまり、この世にあの人たちはもう存在しない。ということになる
そうだとしたら嬉しい
あの衝撃的な光景のあとに何かがあった気がするのだがあまり覚えていない
誰かが笑っていたような気がしたがあれは何だったのだろう
とにかく、いつまでもベッドの上にいるのでは下の様子がわからない。夢かそうでないかを判断するにはリビングに行かなくてはならない
幸い、今は灯りがなければ周りの様子がわからない夜ではなく窓から太陽の光が入ってくる朝だ
ベッドから降りようと床に足をつき、ドアを目指そうと足に力を入れて立った瞬間視界が一気に白く染まった
立ち上がったはいいものの足に力が入りきらずに倒れてしまった
咄嗟に手をついて頭が床にぶつかるのを防げたのはいいが手のひらが痛みでじんじんする
「痛い…」
俺が倒れた音がしたからか階段を登ってくる足音が聞こえてきた
まずいな。あの人の甲高い声を朝から聞かなければならないのは軽く拷問に近い
とりあえず起き上がろうとしたが頭を持ち上げた瞬間にまた眩暈がしたので大人しく床に横たわっていることにした
ついに足音が俺の部屋の前で止まる
「?」
いつも俺の都合などお構いなしに不躾に入ってくるものだから当然ノックをするなんて行為はあの人の常識には存在していないはずなのに、なぜだか今日はノックの音が聞こえた
戸惑っている俺はそれに返事ができないでいるとドアがキィ、と優しく開いた
「起きた?」
柔らかい声でドアから顔を覗かせたその人は俺がまさに夢で見た、笑っていた人で
「うわ、どうしたの」
なんて少し焦りながら俺のそばに駆け寄ってきた人は俺の顔をのぞき込みながら大丈夫?なんて優しく声をかけてきてくれて
プチパニック状態になっている俺はただ金魚のように口をパクパクさせることしかできなくて
すっと俺の方に伸ばされた手に無意識にビクッと体が反応して、床に寝ながらも手は頭を守るようにして動かしていた
殴られる、そう思っていたのに俺に伸ばされた手は俺の背中と両膝の裏にまわり涼し気な顔で俺のことを持ち上げた
「…ぅわッ、」
突然のことに声を上げた俺を見て優しく目を細めるとこめかみに唇を落としてきた
「へ?」
その人の行為の意味がわからなくてプチパニックだった俺の脳内はパニックにレベルアップした
。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 11