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18歳以上ですか?
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あれから施設に入って、気が付けば16歳になっていた。
うちの施設では、16歳になったら働きに出るか施設を出なければならない。
今までに、何人もの子供が施設を出ていった。
高校に行くなんて選択肢、初めから与えられてはいないのだ。
「空くん、少し良いかな?」
優しい声で施設の管理を任されている真山さんが声をかける。
また、これからどうするかの話だろうか。
静かに真山の後に付いて、部屋に入る。
「実はね、空くんにいい話があるんだ」
いい話。
思わず真山を見上げた。
真山はニコリと微笑んで、机から書類を何枚か取り出した。
「青木雄大と言う方が、空くんの引き取りを希望していてね」
青木雄大。
無意識に名前を何度も心の中で呟いていた。
「この方がかなり凄くてね、何でも青木財閥の御曹司らしいんだよ」
そんな人が、どうして自分なんかを引き取りたいなんて。
顔すら知らないのに。
「かなりいい話だと思わないかい?もしかしたら、高校にだって行かせてくれるだろうし、一生困らない生活を送れるかもしれないよ」
そりゃあ、とても魅力的な話ではあるけれど…
そんな見ず知らずの人。
「それじゃあ、一度会ってみようか」
…青木雄大と会う?
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