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「あ」
そこには例のあの一年がいた。ソファに座ってスマホをいじってただろうに、こっちを驚いた顔で見ている。はあ、と彼がため息をつく。こっちがはあだよ…。
「先生なら今いませんよ」
「あ、ありがとう」
でも帰りたくはない。日課になってるもんだから、ここで帰りたない。やることもなくドアの近くの壁に寄りかかったら、彼がちらっとこっちを見た後、立ち上がってこっちに近づいてきた。ここで気づいた。彼、すごい綺麗。かっこいいっていうより綺麗な感じ。
「先輩、帰ってください。迷惑です」
なんで迷惑なんだ。何もしてないのに。目障りだって言うのか。
「なんで」
イラついて少しトーンの低い声が静かに出ていく。
「僕、あなたのこと嫌いなんです」
かっちーんときた。何その自分勝手なの。
「そんなこと言われても困るし、嫌われるような真似してないと思うんだけど」
「…しましたよ」
彼がうつむいて顔が見えなくなる。
「?」
泣いちゃったかなと心配になってきた。泣かせたら申し訳ないけど流石に許せなかったんだ。
「えっと…」
「先輩は!」
「はひっ」
突然大きな声を出されて変な声が出る。
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