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5月18日(月) 怖れ
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───僕のせいだ。
「どうしよう…」
目の前で乱闘が始まってしまった。
僕がこの道でノートを運ばなければ。
雪町くんを巻き込まなければ。
こんなことには…。
「───ミケ」
「っ」
紫鶴に呼ばれて、僕は我に帰る。
「離れるぞ」
「え、でも柊が…」
「あいつはほっとけ」
ちらりと柊の方を見た。
6人もの相手と、ひとりで戦っているのに。
全く引け劣っていないどころか、たったひとりの柊の方が優勢だ。
「…!!」
ふと見えた柊の表情に、一瞬背筋が凍る。
大好きなおもちゃで遊ぶ子どもみたいな。
笑顔で柊は人を殴って、蹴っていた。
「早く」
「っ…!」
紫鶴に手を引かれ、僕は柊に背を向ける。
「おまえも来い」
紫鶴の言葉に、雪町くんはこくりとうなずいた。
周りには人が集まり始めている。
先生があの場を収めるのももうすぐだろう。
…ごめん、柊。
目を伏せて、僕はその場から離れた。
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